「日本語はどんなふうに変わってきたか」
日本語学者・国語辞典編纂者
飯間 浩明 氏
神戸新聞情報文化懇話会の10月例会が24日、中央区のANAクラウンプラザホテル神戸であり、日本語学者で国語辞典編纂(へんさん)者の飯間(いいま)浩明さんが「日本語はどんなふうに変わってきたか」と題して講演しました。
飯間さんは1967年、高松市出身で早稲田大学文学研究科博士課程単位取得。「三省堂国語辞典」の編集委員を務めており、NHK・Eテレの日本語教育番組に携わってきました。
飯間さんは、国語辞典の中にも「実例重視か理想重視か」「現代語重視か伝統重視か」といった傾向があり、三省堂は実例や現代語に重きを置いていると紹介。自身も新聞や雑誌を読むだけでなく、まちを歩いて見つけた言葉がたくさんあると話しました。
変化した言葉の例として「ふつう」を紹介。元々は「一般的」の意味だが、「わたし的にはふつうにおいしい」といった使われ方では褒め言葉に。「やばい」「まじで」なども100年以上前からあるが、時代とともに意味や言葉の形が変わってきたと説明しました。
飯間さんは「ときどきの社会状況に合わせて言葉は新しい意味を持つ。歴史の一部だと考えたとき、どの言葉も命をもっており、かわいく思えてくる」と述べました。
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