「岸田政権の行方」
共同通信編集局次長
山根 士郎 氏
神戸新聞情報文化懇話会の9月例会が22日、神戸市中央区のホテルオークラ神戸であった。共同通信編集局次長の山根士郎さん(56)が「岸田政権の行方」と題して講演しました。
山根さんは神戸市出身。慶応大法学部を卒業後、1990年共同通信に入社し、政治部では自民党や公明党、福田康夫官房長官番、外務省などを担当。その後、政治部デスクや政治部長などを務めました。
取材者の立場から「岸田文雄内閣は記者対応や与党への根回しなど丁寧に政権運営している印象だ」と紹介。7月の参院選での自民圧勝については「党内に高揚感はない」と説明しました。
今月の共同通信による世論調査で、内閣支持率は40・2%と政権発足以来最低になった。支持と不支持も初めて逆転しました。
山根さんは「その背景には、旧統一教会と安倍晋三元首相の国葬、新型コロナへの対応、円安に伴う物価高がある」と述べ、「四重苦」と表現。ロシアのウクライナ侵攻や台湾有事などの外交課題が山積し、防衛費増額の議論も高まるとしました。野党の共闘姿勢にも触れ、「政権にとっていばらの道が続くことは間違いないだろう」と話しました。
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