「人生100年 青春をかけて走れ」
建築家
安藤 忠雄 氏
神戸新聞情報文化懇話会の3月例会が23日、神戸市中央区の神戸ポートピアホテルであり、建築家の安藤忠雄さんが「人生100年 青春をかけて走れ」と題して講演しました。
安藤さんは1941年、大阪市生まれ。建築家として世界的に活躍し、国内外で多くの賞を受けています。兵庫県にもゆかりが深く、県立美術館を手掛けたほか、自ら設計、建築した「こども本の森 神戸」が25日、神戸市中央区の東遊園地で開館します。
安藤さんは中学生時代、大工が休憩もせず楽しそうに仕事している姿を見て、「勉強は苦手だったが、面白がって仕事がしたいと思った」と自身の原点を振り返りました。がんを克服した経験にも触れ、「大きな病気を繰り返し、学歴もないが懸命に仕事をしてきました。皆さんも80、90歳まで頑張って」と呼び掛けました。
フランスやイタリアなど各地で自身が携わった建築物をスライドで紹介しながら、「決して諦めず、一心不乱に取り組むこと」「人と人との関係が新たな仕事を生み出してくれる」などと人生訓も披露しました。
20代半ばで夏目漱石の本と出合ったことから「もっと早くに本と出合いたかった」と話し、全国各地で子ども向けの図書館を手掛けていると紹介。「将来ある子どもを大切に育ててほしい」と次世代への思いを口にするとともに、「夢や目標がある限り、一生青春ですよ」と熱く語り掛ける場面もありました。
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