「デジタルトランスフォーメーションによるイノベーション経営」
元ネスレ日本社長兼CEO
高岡 浩三 氏
神戸新聞情報文化懇話会の3月例会が31日、ANAクラウンプラザホテル神戸(中央区北野町1)であり、元ネスレ日本社長兼最高経営責任者(CEO)の高岡浩三さんが「デジタルトランスフォーメーションによるイノベーション経営」と題して講演しました。
高岡さんは1960年、堺市出身。神戸大学を卒業後、ネスレ日本に入社し、約10年間、同社社長兼CEOを務めた。新しいビジネスモデルの構築が高い評価を受け、現在も企業経営に関する活動を続けています。
高岡さんは、現在の日本は米中に置き去りにされた「失われた30年」の状況にあるとし、その理由として「高度経済成長期に本当のプロの経営者が育たず、新たなビジネスモデルに移行できなかったため」と指摘。人口減少が続く中でも持続可能な成長戦略が求められると説明しました。
大手IT企業の事例を挙げながら、イノベーションを「顧客が認識していないか、諦めている問題を解決すること」と定義。重要なのは「解決能力よりも発見する力」とし、デジタル革命などの「新しい現実」とともにやって来る「新しい問題」を発見し、適切な解決策を提示する必要性を指摘しました。
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