「バイデン大統領就任と日米関係」
神戸大学大学院法学研究科教授
簑原 俊洋 氏
神戸新聞情報文化懇話会の2月例会が24日、オンラインであり、国際政治学者で神戸大大学院法学研究科教授の簑原俊洋さんが「バイデン大統領就任と日米関係」と題して講演しました。
簑原さんは米カリフォルニア大学デービス校を卒業後、神戸大法学研究科博士課程を修了。外務省の政府委員などを歴任し、2007年から現職。NPO法人インド太平洋問題研究所の理事長も務めています。
講演では昨秋の米大統領選の結果について、「可もなく不可もないバイデン」だからこそ、反トランプ票を集めて勝利したと説明。コロナ禍による経済格差の拡大下で「トランプイズム」が消えることはないとする一方、共和党内でも分裂が広がっていることを踏まえ「来年の中間選挙が非常に重要になる」としました。
また、香港や新疆ウイグル自治区などで強権を振るう中国に対し、バイデン政権はより厳しい姿勢で臨むとの見通しを示し、「米中の軍事的衝突がないとは言えない」と指摘。さらに、中国とロシアの接近で「新冷戦」の状態が訪れる可能性に言及し、「日本は責任ある大国として、世界の安全保障に能動的に関わっていくべきだ」と話しました。
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