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2019年9月例会

「ショパンの魅力~小説『葬送』を巡って」

作家
 平野 啓一郎 氏

 神戸新聞情報文化懇話会の9月例会が26日、神戸市中央区波止場町のホテルオークラ神戸でありました。クラシック音楽に造詣の深い人気作家平野啓一郎さんが「ショパンの魅力~小説『葬送』を巡って」と題して講演しました。
 平野さんは1975年、愛知県生まれ、京都大学法学部卒業。99年、「日蝕」で芥川賞を受賞しました。「マチネの終わりに」などの代表作のほか、2002年にはポーランドの音楽家フリデリク・ショパンの生涯を描いた「葬送」を発表しました。10月12日に兵庫県立美術館ギャラリー棟で開幕する「ショパン~200年の肖像」展にタイアップする形で魅力を語りました。
 講演では、少年時代からクラシック音楽が好きだったことを紹介し、ショパンの伝記を読み、リストら一流音楽家や著名な芸術家と同じ時代に生きたことを知り、「夢のような世界だと思った」と語りました。画家のドラクロワはショパンの親友だったが、なぜか臨終の際、旅に出ていた。「その疑問が『葬送』執筆の動機になった」と打ち明けました。
 ショパンは主にフランスで活躍したが、ポーランド人としての意識が強く、「生涯をたどると、ヨーロッパに芽生え始めた国民、国家という考え方が見えてくる。恋愛を含め、小説家としては興味が尽きない」と話しました。

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