過去の例会について
2019年8月例会

「将棋プロ棋士の先の読み方考え方」

将棋プロ棋士対談
元竜王・糸谷 哲郎八段
    神吉 宏充七段


 神戸新聞情報文化懇話会の8月例会が26日、神戸市中央区の神戸ポートピアホテルでありました。「将棋プロ棋士の先の読み方考え方」と題し、糸谷哲郎八段(30)と神吉(かんき)宏充七段(60)というプロ棋士2人が軽妙なトークを繰り広げました。
 糸谷八段は八大タイトルの一つ「竜王」を2014年に獲得した実績があり、現在はトップ棋士10人による総当たりのリーグ戦「A級順位戦」で戦います。加古川市出身の神吉七段は巧みなトークで知られ、「大逆転将棋」などテレビ番組に数多く出演、将棋の魅力を多角的に伝えています。
 例会は現在の将棋ブームの火付け役となった藤井聡太(そうた)七段の話題で始まり、やがて対局時の心理の話に。糸谷八段が「悪手を指した後、焦ると泥沼にはまる。気持ちの切り替えが大切」と話すと、神吉七段も「悪手を指して『取り返さなきゃ』と慌てるのでなく、『そこがスタート地点』と思える棋士が強い。 羽生善治九段にそうした冷静さを感じる」とうなずきました。
 また神吉七段は、大山康晴15世名人ら大棋士の逸話を披露しつつ「昭和は『相手の困る手を指す』など勝負師的な人が多かった。平成は攻めや受け、何かに特化した棋士が増えた」と分析。人工知能(AI)が強くなった令和は「〝棋を見て人を見ず〟。対局相手ではなくAIが出す評価値を見て研究するようになった」と指摘し、勝敗以外の部分でも棋士が魅力を発信していくことが重要ではと問いかけました。

お問い合わせ
神戸新聞情報文化懇話会事務局(神戸新聞社 事業局内)
650-8571 神戸市中央区東川崎町1-5-7
TEL : 078-362-7057(平日9時半〜17時半) 
FAX : 078-360-5514 
E-mail : kjbk@kobe-np.co.jp