「巨大国家・中国~
『習近平体制』の現状と課題」
神田外語大学外国語学部教授
興梠 一郎 氏
神戸新聞情報文化懇話会の2月例会は2月20日、神戸市中央区港島中町6の神戸ポートピアホテルで開催しました。
神田外国語大の興梠一郎教授を講師にお招きし、「巨大国家・中国 習近平体制の現状と課題」と題してご講演いただきました。
興梠さんは大分県出身。九州大卒業後、三菱商事、外務省専門分析員などを経て、2006年から現職。
習近平国家主席の体制を「国民すべてを顔認証で、どこにいても捕まえる。中国史上最強のハイテク独裁政権」と評しました。国家主席の任期を撤廃し、共産党規約に習近平思想を書き込んだ点に触れ、「習近平に盾突くと党規約違反。まさに神様。習近平思想が水戸黄門の印籠になり、誰も何も言えなくなった」と述べました。
一方で、〝習一強〟にしたことが、米国を強く刺激している現状を強調しました。「米中貿易摩擦というが、(内実は)戦争。米国のグローバル化は終わり、移民や中国から自国を守ろうとしている」と指摘。米連邦捜査局が活発に動き、ハイテク分野で中国人技術者の逮捕が相次いでいるという。「日本企業も人材獲得の際、米国が本気だと知っておかないと、とんでもないことで容疑をかけられる」と警鐘を鳴らしました。
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