「IT社会における企業防衛」
元警察庁長官
米田 壯 氏
神戸新聞情報文化懇話会の11月例会は22日、神戸市中央区の神戸ポートピアホテルで開催しました。
神戸市出身で元警察庁長官の米田壯(つよし)さんを講師にお招きし、「IT社会における企業防衛」と題して、近年の大企業へのサイバー攻撃事例や、対策などについてご講演頂きました。
米田さんは、1976年に警察庁に入庁。警察庁刑事局長や長官官房長などを経て2013年に警察庁長官。15年の退任後、神戸市顧問などを務めています。
講演では、メールに添付されたファイルを開いてウイルスに感染した三菱重工業やJTB子会社の事例や、外部企業の社員に情報を抜き取られたベネッセの顧客データ漏えい事件などを紹介しました。
米田さんは「日本のセキュリティーの現状や意識は低い。システムに侵入されることを前提とした対策が必要」と強調。重要なデータはネット環境から遠ざけることや、盗まれても使えないようにデータを暗号化するなどの具体的な対策とともに「内部者の意図的な情報漏えいやミスによる発生もあり、人的要因も軽視してはいけない」と指摘しました。
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