「憲法9条と
新たな安全保障法制」
弁護士
元内閣法制局長官
阪田雅裕 氏
神戸新聞情報文化懇話会は14日、ANAクラウンプラザホテル神戸(神戸市中央区北野町1)で10月例会を開き、元内閣法制局長官で弁護士の阪田雅裕さんに「憲法9条と新たな安全保障法制」と題してご講演いただきました。
阪田さんは1943年生まれ。66年に大蔵省に入省。2004年から約2年間内閣法制局長官を務め、06年に弁護士登録。法律事務所顧問に就任しました。
安全保障法制の問題として憲法違反を挙げた阪田さんは「憲法は、統治権力を担う人たちが守るべきルール。憲法の縛りを意識しなくなると、政権の思うまま何でもできる国家になる。その極端な例が今回の安保法制」と指摘しました。
「これまでの平和主義は、戦力の保持と交戦権を認めない憲法9条2項にある」と説明。「これを覆して集団的自衛権を行使した場合、戦争への参加とみなされる」と断言しました。
それに伴い、国連平和維持活動(PKO)の任務拡大や米軍への支援などで自衛隊が不測の事態にさらされるリスクが増す可能性を指摘。「リスクを正面から認めない政府の姿勢には問題がある。国民が見張っていかなければ」と強調しました。
(C)神戸新聞社 ホームページに掲載の記事、写真などの無断転載、加工しての使用などは一切禁止します。