戦国武将の経営戦略
軍師黒田官兵衛に学ぶ
静岡大学名誉教授
小和田 哲男氏
神戸新聞情報文化懇話会の9月例会が25日、神戸市中央区の神戸ポートピアホテルであり、静岡大名誉教授の小和田哲男氏に「戦国武将の経営戦略―軍師黒田官兵衛に学ぶ―」と題して講演頂きました。
小和田氏は1972年に早稲田大大学院の博士課程を修了後、静岡大講師などを経て教授に。戦国時代史研究で知られ、NHK大河ドラマの時代考証担当は、2014年の「軍師官兵衛」で5本目となります。
姫路ゆかりの戦国武将で、豊臣秀吉の側近として活躍した黒田官兵衛。講演では、本能寺の変を知り落ち込む秀吉に「今こそ天下取りの好機」と進言した逸話などを踏まえ、「秀吉の台頭に彼が果たした役割は大きい」と評しました。
「軍師には占いなどを担う呪術型ときちんと作戦を立てる参謀型があり、官兵衛は後者」と解説。孫子の兵法に通じていた官兵衛が、知略を尽くして生き抜いたことを、数々の史実から紹介しました。
秀吉は晩年、朝鮮出兵などの失策を重ねる。「ブレーキ役となる弟の秀長を亡くし、官兵衛を遠ざけた結果。組織にとって補佐役がいかに大事な存在かを今に伝えている」と結んびました。
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