わかりあえないことから~
いま求められるコミュニケーション能力
大阪大学コミュニケーションデザイン・センター教授
平田オリザ氏
神戸新聞情報文化懇話会の6月例会が18日、中央区の神戸ポートピアホテルであり、劇作家で大阪大コミュニケーションデザイン・センター教授の平田オリザさん(50)が「わかりあえないことから~いま求められるコミュニケーション能力」と題して講演した。
平田さんは東京都出身。国際基督教大を卒業し、演劇や教育などの分野で批評、執筆活動を続ける。近年は自治体やNPOと連携し、演劇を活用した教育プログラムを開発。鳩山由紀夫首相当時、内閣官房参与を務めた。
講演では、コンビニやネットでの買い物を例に挙げ、話さずに暮らせる社会になったと指摘。「若者はコミュニケーション能力が低下しているのではなく、コミュニケーションに対する意欲が低い。子どもには、伝わった時の喜びを教えるのが大切」と訴えた。
「人間はさまざまな仮面をかぶる」とも。「いい子を演じるのに疲れた、と心を病む人もいるが、演じるのは本来楽しいこと。いい子を演じるのに疲れない、できれば楽しむぐらいのしたたかな子を育てられれば」と語った。
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