国際テロの脅威と
企業の危機管理
危機管理経営アナリスト
金重凱之氏
神戸新聞情報文化懇話会の5月例会が29日、神戸メリケンパークオリエンタルホテル(中央区)で開かれ、危機管理経営アナリストの金重凱之(かねしげよしゆき)さんが「国際テロの脅威と企業の危機管理」と題して講演した。
金重さんは熊本県出身。1969年、京都大法学部を卒業し、警察庁に入庁。在米日本大使館一等書記官、警察庁警備局長などを歴任。2002年に東京都参与、03年に国際危機管理機構代表取締役社長となり、日本の危機管理の第一人者として知られる。
講演では今年1月のアルジェリア人質事件や2001年の米同時多発テロなどの事件を踏まえ、「テロは日本でも必ず起こる」と対策の必要性を強調。「マニュアルの作成や警備強化、避難訓練などは最低限やっておくべきだ」と呼び掛けた。
また「残念だが、テロで犠牲者が出ないことはあり得ない。有事に備えた事業継続計画を作り、被害を『防止』するのではなく『いかに最小化するか』を考えてほしい」と話し、組織が安全対策に一定の費用を割くよう訴えた。
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