なぜ検挙率は低下したのか
犯罪統計を読む
元近畿管区警察局長
深草雅利氏
神戸新聞情報文化懇話会の4月例会が22日、中央区のホテルオークラ神戸で開かれ、元近畿管区警察局長の深草雅利さんが「なぜ検挙率は低下したのか―犯罪統計を読む」と題して講演した。
深草さんは名古屋市出身。1978年に警察庁に入庁後、京都府警、愛媛県警などを経て、警察庁捜査1課長などを歴任。阪神・淡路大震災後の95年8月には兵庫県警刑事部長に就任し、須磨区の連続児童殺傷事件を指揮した。
講演では「検挙率が下がれば、警察の実力が下がったと思われるが、私はそうは考えていない」ときっぱり。1969~2012年までの刑法犯認知件数などのグラフを基に犯罪統計をひもとき、軽微な犯罪での検挙人数が増加していたり、自転車盗の認知件数が減っていたりして、検挙率が上下している状況を解説した。
また、1999年の埼玉県桶川市のストーカー事件などに触れ、「家族が相談していたのに、認知がいいかげんだった。警察はあらためて犯罪認知の大切さを認識した」とし、「警察が正しい認知をするよう、みなさんで監視してほしい」と話した。
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