株価上昇は政策無関係
アベノミクス分析
翻訳家・政治経済評論家
徳川家広氏
神戸新聞情報文化懇話会の2月例会が25日、中央区北野町1のANAクラウンプラザホテル神戸で開かれ、翻訳家で政治経済評論家の徳川家広さんが「これからの世界経済と日本」と題して講演した。
徳川さんは1965年、東京都出身。90年に慶応大学経済学部を卒業後、米ミシガン大学で経済学、コロンビア大学で政治学を修了。国連食糧農業機関(FAO)のローマ本部などを経て、帰国後にフリーの翻訳家に転身した。徳川宗家19代目にあたり、著書に「バブルの興亡」などがある。
徳川さんは冒頭、著書で「日本に再びバブルが訪れる」と書いたことに触れ、「みんなうれしそうな顔をするが、本当に言いたかったのはバブルの後はひどいことが起きるということ」と強調した。
安倍政権の経済政策「アベノミクス」については「みな大変な勘違いをしている」と指摘。円安が進み、株価が上がっている現状は、原発停止による燃料の輸入が増えたことと、日中関係悪化による日本製品の輸出減が原因で「市場の実勢による為替安。政策とは無関係」と分析し、「アベノミクスは始まってもいない」と述べた。
(C)神戸新聞社 ホームページに掲載の記事、写真などの無断転載、加工しての使用などは一切禁止します。