野球評論家・タレントの
板東英二さん講演
「板東英二のがむしゃら人生」
神戸新聞情報文化懇話会の8月例会が21日、中央区港島中町6の神戸ポートピアホテルで開かれ、野球評論家でタレントの板東英二さんが「板東英二のがむしゃら人生」と題して講演した。
板東さんは旧満州出身。5歳で終戦を迎えて引き揚げ、徳島県で幼少期を過ごした。県立徳島商業高校では夏の甲子園で活躍し、83奪三振の大会記録を樹立。その後は中日ドラゴンズに入団し、引退後は野球解説者やテレビタレント、俳優として人気を博している。
講演では、戦後の貧しい暮らしぶりや自身の野球人生を、巧みな話術でユーモアたっぷりに紹介。甲子園で活躍後、多くのプロ野球のスカウトが自宅に来たといい、「契約金の額が新聞に出た途端、知らない親戚がどんどん増えた」と話して会場を沸かせていた。
また、元巨人の長嶋茂雄氏など名選手との対戦を振り返り、「人の倍ほど努力しても、素質がないと通用しない。それを対戦相手から思い知らされた」とプロ野球の厳しさを力説。運動能力や体の強さは遺伝的な影響が大きく、年齢を重ねると衰えていく一方で、脳の可能性はまだまだ残っているとし、「いくつになっても何かに興味を持って脳に刺激を与え、老化を防いでいきましょう」と話していた。
(2012年8月22日 神戸新聞掲載)
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