災害情報に関する10の経験則
~危機発生時の心得
・南海トラフの巨大地震に備える
東京経済大学教授
吉井博明さん
神戸新聞情報文化懇話会の7月例会が24日、中央区波止場町のホテルオークラ神戸で開かれ、東京経済大学コミュニケーション学部の吉井博明教授(災害情報論)が「災害情報に関する10の経験則~危機発生時の心得・南海トラフの巨大地震に備える」と題して講演した。
吉井教授はさいたま市出身で、東京工業大学大学院理工学研究科博士課程満期退学後、文教大学教授などを経て現職。中央防災会議の専門委員も務め、災害対応に幅広い提言をしている。
講演では、南海トラフで発生が予想される大地震について、2003年に中央防災会議が想定した被害よりも甚大になる可能性を指摘。県内では特に、「淡路島南部では最大9メートルの津波が来ると想定されている」として注意喚起した。
また、東日本大震災で津波からの避難が遅れた原因について、詳細な調査をもとに人間心理などをさまざまな角度から分析。また、災害時に的確に情報を集約して避難行動につなげる方法を提言し、「普段から生き延びるための意識を持ち、備えを真剣に考えておくことが大事」と話した。
(2012年7月25日 神戸新聞掲載)
(C)神戸新聞社 ホームページに掲載の記事、写真などの無断転載、加工しての使用などは一切禁止します。