生き残る会社、潰れる会社
~倒産企業経営者に共通する10のポイント
帝国データバンク
情報統括部長 藤森徹氏
神戸新聞情報文化懇話会の9月例会が12日、中央区港島中町6の神戸ポートピアホテルであり、帝国データバンク情報統括部長の藤森徹さんが「生き残る会社、潰(つぶ)れる会社~倒産企業経営者に共通する10のポイント」と題して講演した。
藤森さんは尼崎市生まれ神戸育ちで、関西大社会学部卒業後、大手スポーツ用品メーカー勤務を経て帝国データバンクに入社。企業倒産を専門に扱う「情報部」に18年間在籍し、数千社の倒産事例などを扱った。
藤森さんは講演で、今月19日に再上場する予定の日本航空が経営破綻した理由について解説。「無(む)謬(びゅう)性(誤りのないこと)」を追求するあまりに問題の先送りをしてきたことや、飛ばせば赤字になるのが分かっているのに、最初に大きな投資をしたためにジャンボ機の運航をやめられなかった点を挙げ、「みなさんの会社や取引先にも無謬性追求の文化や、ジャンボ機のような存在がありませんか」と問い掛けた。
自身の経験を踏まえた「会社をつぶす経営者のポイント」も紹介。計画性や危機感、人脈がなく、社内の悪い情報が届かないことや、数字やパソコンに弱く、店を閉じるなど後ろ向きの決断をする力がない点などを列挙。リーダーシップの要件として「聞き上手で、人の話を聞く心があるかどうかが大切」と述べた。
(2012年9月13日 神戸新聞掲載)
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