2025年米中逆転...
日本の戦略は?
東京財団ディレクター
渡部恒雄さん講演
神戸新聞情報文化懇話会の4月例会が10日、神戸市中央区北野町1のANAクラウンプラザホテル神戸であり、東京財団ディレクター(政策研究)兼上席研究員の渡部恒雄さんが「二〇二五年米中逆転―日本の戦略は?」と題して講演した。
福島県生まれの渡部さんは1988年、東北大学歯学部を卒業後、歯科医師となるが、社会科学を追究したいと米国に留学。米ニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチ政治学修士課程を修了し、CSIS(戦略国際問題研究所)の上級研究員として日米関係やアジアの安全保障などを研究してきた。
渡部さんは4年連続で赤字財政となった米国で、オバマ政権の厳しいかじ取りを紹介。「11月の大統領選挙は景気回復が焦点となるが、野党・共和党を中心に『小さな政府』を求め、財政出動を拒む動きもある」などと説明した。
一方、中国が国防予算を拡大し続ければ、2025年には米国並みになると指摘。「一人っ子政策」の影響で厳しい少子高齢化も待ち受けるとし、「中国国内も不安定になりかねない。米中外交を見極めるとともに、日本も何が譲れず、何を求めるか。国家目標を洗い直し、国民で共有する必要がある」と訴えた。
(2012年4月11日 神戸新聞掲載)
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