過去の例会について
2012年2月例会

清盛の福原遷都を考察
大河ドラマ時代考証担当
神戸大名誉教授の
高橋昌明さん講演

 神戸新聞情報文化懇話会の2月例会が21日、神戸市中央区港島中町6の神戸ポートピアホテルで開かれ、NHK大河ドラマ「平清盛」の時代考証を担当する神戸大名誉教授の高橋昌明さんが「清盛と大輪田泊」と題して講演した。
 
 高橋さんは1945年、高知市生まれ。同志社大大学院文学研究科修士課程修了後、滋賀大教授を経て、2008年まで神戸大大学院教授を務めた。平清盛関連の著作が多数ある。
 
 講演では、大河ドラマに対する井戸敏三知事の「画面が汚い」との発言に触れ、「平氏は豊かな中流貴族で、確かにあんな汚い姿ではない。将来の華やかな姿と対比するためのドラマの演出」と理解を求めた。
 
 続いて当時の史料を基に、港の大輪田泊(現・兵庫区)の改修や福原(同)への遷都を検証。孫の言仁(ときひと)親王(後の安徳天皇)に中国の百科事典「太平御覧」を贈った史実から「東アジアに開けた天皇に育ってほしい、という願いを込めるとともに、国際性のある平氏政権の姿を保守的な貴族に示した」と解説した。
 
 また、福原遷都前に清盛が国家による大輪田泊の改修を押し進めた点に着目。「海に向かって開かれた新都を構想した。当時の閉鎖的な社会にあって、清盛は過激ともいえる革命家だった」と話した。
 
(2012年2月22日 神戸新聞掲載)

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