「はやぶさ」の
成果について
JAXA教授の
川口淳一郎さん講演
神戸新聞情報文化懇話会の新春例会が23日、神戸市中央区波止場町の神戸メリケンパークオリエンタルホテルであり、宇宙航空研究開発機構(JAXA)教授の川口淳一郎さんが「『はやぶさ』が挑んだ人類初の往復の宇宙飛行、その7年間の歩み」と題して講演した。
川口さんは京都大、東京大大学院を経て旧文部省宇宙科学研究所(現JAXA)に入り、2000年から現職。1996年から昨年9月まで、小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトマネジャーを務めた。
講演ではまず、地球と同じ材料でできた小惑星を調べることで「地球の起源を知ることができ、地震発生の手掛かりをつかむことにもつながる」と、プロジェクトの意義を説明した。
続いて、はやぶさを小惑星イトカワに着陸させ、試料を採取し持ち帰った世界初の成果を紹介。燃料漏れ、エンジン故障など幾度もトラブルに見舞われながら帰還したことに触れ、「(はやぶさは)本当に帰ってきたかったんだなと思った」と振り返った。
また、長径500メートルのイトカワに毎秒1センチ動かすコントロールで着陸させた技術について「各国が驚いて聞いてくるが、もちろんひた隠しにしてます」と笑みを浮かべ、「日本人も前例のないことを創造できるという自信と希望を示せた」と締めくくった。
(2012年1月24日 神戸新聞掲載)
(C)神戸新聞社 ホームページに掲載の記事、写真などの無断転載、加工しての使用などは一切禁止します。