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2011年7月例会

停電危機で産業空洞化...
エネルギー事情について
一橋大大学院教授の
橘川武郎さん講演

 神戸新聞情報文化懇話会の7月例会が21日、神戸市中央区の神戸ポートピアホテルで開かれ、一橋大大学院の橘川武郎(きっかわたけお)教授が「原発問題と今後のエネルギー事情」と題して講演した。
 
 東京大経済学部を卒業後、米国・ハーバード大学客員研究員などをへて2007年から現職。福島第1原発事故を受け、経産省が設けた「今後のエネルギー政策に関する有識者会議」のメンバーも務める。
 
 講演では、全国に広がっている電力供給不安について「停電が起こるかどうかが問題でない。『停電があるかもしれない』というリスクにより、企業は工場を海外に移転するなどし、産業の空洞化が起こりつつある」と憂慮。「日本のものづくりの危機だ」として警鐘を鳴らした。
 
 今後の電力源については「原子力発電の必要性と危険性の両方を直視すべき。原発が集中する福井県が焦点になる。プラントごとの津波想定の見直しと、それに基づく防護体制の整備を進める必要がある」と指摘。将来的には原発への依存度を低め、地熱などの再生可能エネルギーを普及すべきとした。
 
(2011年7月22日 神戸新聞掲載)

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