関西の原発危険再考を...
震災をうけて
神戸大名誉教授の
石橋克彦さん講演
神戸新聞情報文化懇話会の6月例会が16日、神戸市内のホテルで開かれ、神戸大名誉教授の石橋克彦さんが「私たちは西日本大震災と破局的『原発震災』を回避できるか」と題して講演した。
東京大大学院理学系研究科を修了後、旧建設省建築研究所室長、神戸大教授を経て2008年から現職。1976年に東海地震説を発表し、97年に「原発震災」の概念を提唱するなど警鐘を鳴らしてきた。
講演では、国内の原子力発電所について「建設・増設が進んだ70年代初めは地震学が発展する以前だったため、そもそも想定が甘く、多くが地震の起こりやすい場所に建っている」と指摘。その上で、福島第1原発は津波ではなく、揺れで配管損傷などの大事故が生じていた可能性があるとし、政府に全原発の安全性の再点検を求めた。
また多くの原発が立地する若狭湾にも活断層が多い点に言及。「関西広域連合は原発群のリスクを評価し、危険性の高いものには閉鎖を求めるべきだ」と強調した。
(2011年6月17日 神戸新聞掲載)
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