熊本地震が問いかけているもの
ひょうごボランタリープラザ所長
神戸大学名誉教授
室崎 益輝氏
神戸新聞情報文化懇話会7月例会は、7月22日、ホテルオークラ神戸(神戸市中央区波止場町2)にて開催しました。
県立大学防災教育研究センター長の室崎 益輝(むろさき・よしてる)氏を講師にお招きし、「熊本地震が問いかけているもの」と題して防災のテーマでお話しいただきました。
ひょうごボランタリープラザ所長を兼任する室崎さんは熊本地震後、被災地を3回視察されました。
熊本地震の特徴として、
・震度7を2回観測した
・阪神・淡路大震災などに比べて余震回数が非常に多い
・地震後の豪雨で被害が拡大した
などを指摘され、「自然災害は過去の教訓を生かせないこともある。常に不測の事態を想定しておくべき」と話されました。
また、役場や病院などが損壊して業務がストップしたり、自治体職員の過重な負担が問題視されたりしたことから「小規模の自治体では(災害時に)人手不足が深刻になる。物資の配給などを専門業者やボランティアに一任することも必要」とアドバイス。
このほか、今後想定される南海トラフ巨大地震などへの備えについても触れ、「避難の長期化や予想を超える避難者数に対応するため、平時のうちに備蓄や避難場所を確保しておかなければならない」ことを訴えられました。
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