教員によるNIE実践

高校生×小学生、授業で防災学ぶ

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 高校生が小学生に防災について伝える授業が2月5日、神戸市須磨区の市立横尾小学校であった。県立須磨友が丘高校の生徒会メンバー12人が講師役になり、6年生の児童約50人と一緒に災害時の備えについて考えた。

 授業では、昨夏、能登半島地震の被災地でボランティア活動をした寺尾凜太郎さん(16)が、仮設住宅が立ち並ぶ写真などを見せながら現地の様子を報告。その後グループに分かれ、阪神・淡路大震災と東日本大震災発生後まもなくの新聞記事を読み、気づいたことや地震に備えて何をするかを付箋(ふせん)に書いて模造紙に貼っていった。

 「防災バッグの中身を確認する」と付箋に書いた平沢莉羽さん(12)は「高校生の意見も聞いて、防災についてより深く知れた」と話した。

 須磨友が丘高校は日本新聞協会のNIE実践指定校。今年夏のNIE全国大会神戸大会で、今回の取り組みについて発表する予定。(石田貴子)=6日付朝日新聞朝刊神戸版、阪神版、ひょうご版

[写真説明]阪神・淡路大震災と東日本大震災発生後の新聞記事を読む児童=神戸市須磨区

※朝日新聞に無断で転載することを禁じる=承諾番号25-0377

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須磨友が丘高生 児童と防災学習

 県立須磨友が丘高校(神戸市須磨区)の生徒12人が2月5日、近くの神戸市立横尾小学校で、同小の6年生約45人と災害時の備えなどについて一緒に考える授業に取り組んだ。

 須磨友が丘高は日本新聞協会のNIE実践指定校で、横尾小との取り組みは3年目。児童らは班に分かれ、阪神大震災と能登半島地震に関する新聞記事から避難所の状況などを読み取り、防災について話し合った。日頃からの備えとして「避難経路を調べる」「防災バッグの中身を確認する」など必要と思った点を付箋に書き、模造紙に貼り付けた。

 講師役を務めた須磨友が丘高2年の寺尾凛太郎さん(16)は「新聞には必要な情報が載っていて、教材としてよかった。小学生には過去の災害を忘れないでほしい」と話し、横尾小6年の平沢莉羽さん(12)は「高校生の意見を聞いて防災をより深く知ることができた」と笑顔を見せた。

 同高は授業内容を7月31日~8月1日、神戸市内である「第30回NIE全国大会神戸大会」の2日目に発表する予定という。=6日付読売新聞朝刊神戸明石版、淡路版、丹波版

[写真説明]生徒(右)と一緒に防災学習をする児童ら(神戸市須磨区で)

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震災記事教材 高校生が授業 神戸・横尾小「自分ごとと考えて」

 阪神・淡路大震災と能登半島地震を報じた新聞記事を教材に、高校生が小学生に防災でできることを伝える授業が横尾小学校(神戸市須磨区横尾5)であった。児童らは記事を読んで被災者の暮らしを知り、日々の備えの大切さを学んだ。(船田翔太)

 須磨友が丘高校(同市須磨区友が丘1)の生徒会役員12人が、横尾小6年の45人に教えた。須磨友が丘高は日本新聞協会のNIE(教育に新聞を)実践指定校で、横尾小での授業は3回目。

 高校生は、30年前の神戸と昨年の能登の避難所生活を報じた新聞記事を児童に配り「二つの避難所で困ったことは」「地震に備えて今何をするか」と問いかけた。児童は記事を読み「ゴミの発生やトイレのにおい」「水や食料、毛布などを用意しておく」と付箋に書き、模造紙に貼った。

 横尾小6年の土山康貴さん(12)は「新聞を読んで避難所の状況を想像し、震災について真剣に考えた。ちゃんと備蓄できているか家に帰って確認したい」と話した。

 須磨友が丘高2年の寺尾凛太郎さん(16)は、昨年8月に石川県で砂浜の清掃などのボランティアをしたといい、仮設住宅が立ち並ぶ写真などを見せながら現地の状況を児童に伝えた。「震災を詳しく知らない小学生もいると思う。防災を自分ごととして考えてもらうきっかけになれば」と語っ\た。

 須磨友が丘高は、今年7月31日~8月1日に神戸市である「第30回NIE全国大会神戸大会」で防災授業の取り組みを発表する。

 同大会に参加する和歌山大教育学部教授で、和歌山県NIE推進協議会長の舩越勝さんは「複数の記事を読み比べるなどして震災の特性を考えることは学びを深める出発点。教える側の高校生も知識や経験を伝えることで学ぶことは多いはず」と評価した。=2月15日付神戸新聞朝刊神戸版

[写真㊤]避難所に関する新聞記事を読んで気づいたことを付箋に書き、台紙に貼り付ける児童=いずれも須磨区横尾5[写真㊨㊦]避難所に関する新聞記事を読んで気づいたことを発表する児童

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※授業を担当された須磨友が丘高校・岩本和也教諭の寄稿(ねらいや感想)をこちら 生徒と児童のみなさんの感想をこちらに掲載しています。横尾小学校の先生の感想はこちら

  授業を参観した和歌山大生の感想

 日本新聞協会NIEサイトにもリポートが掲載されています。リポートはこちら

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