※2月5日、須磨友が丘高校の生徒たちが、近くの横尾小学校6年生を対象に行った「震災授業」。3年目の取り組みになる「小高連携授業」です。須磨友が丘高校の先生にねらいや感想をご寄稿いただきました。
須磨友が丘高校 岩本和也教諭
◇ねらい
今年で発生から30年となる阪神・淡路大震災と、昨年1月1日に発生した能登半島地震に関する新聞記事を利用する。それぞれの地震に際し、特に避難所生活について報道された記事から「避難所で困っていること」を読み取り、そこから見える共通点や、どのような支援が必要かを話し合い、さらには「自分たちがどのような備えをしておくべきか」を考えることができる。
また、小学生のグループに高校生がファシリテーター役として入ることで、相互に意見交流を行い、互いに学びを深めることができる。
◇感想
小学生は題材となる新聞記事等をじっくりと読み、高校生の問いかけに応じて懸命に考え、意見を出す姿が見られた。戸惑っている児童に対しては、高校生がかみ砕いて説明したり、問いかけ直したりすることで、小学生も学習を進めることができていた。真剣に課題に取り組む小学生の姿勢に、高校生も刺激を受けたように思う。
震災を経験する世代が少なくなる中、阪神・淡路大震災を経験していない高校生が、自分たちよりも下の世代の子どもたちに震災の経験を語り継いでいくことにも意味があったと考える。
◇今後の展望
本授業では、小学生に震災について考えるきっかけを与えることができた。高校生から小学生に「帰宅後に保護者の方と震災について話してみてほしい」との呼びかけがあった。また、小学生からも「備蓄ができているか家に帰って確認したい」という感想もあった。防災に関する意識や行動がどのように変化していくのか、再度授業を行うことも検討したい。
また、高校生が小学生に教える授業は、相互に学びがあったと思う。今後、限られた時間の中でどのように対話の時間を確保していくのか、さらに工夫したい。