「ポストコロナの時代に」
神戸大学大学院医学研究科教授(感染治療学分野)
岩田 健太郎 氏
神戸新聞情報文化懇話会の7月例会が29日、神戸市中央区の神戸ポートピアホテルであり、神戸大大学院医学研究科の岩田健太郎教授(49)=感染症治療学=が「ポストコロナの時代に」と題して講演しました。懇話会は、新型コロナウイルスの影響で5カ月ぶりの開催となりました。
岩田さんは1971年、島根県生まれ。米国や中国などの医療機関を経て、2008年から現職。
講演では、感染拡大後の世界を、感染症の歴史や世界情勢、データを基に判断すべきだと指摘。新型コロナを〝水〟に例え、「コップ1杯では怖くないが、津波レベルになると、人間は太刀打ちできなくなる。コロナも1万人が感染すれば一定の重症者や死者が出る。(一般的な)風邪とは違う」と述べました。
さらに、感染が収束した海外の事例を基に「経済を回すのは重要だが、感染を抑え込むことが前提だ」と強調。感染経路を遮断するには「ステイホームで、リモートワーク(遠隔勤務)を進めることだ」とし、「緊急事態宣言のような一時的な形ではなく、持続可能な対策を模索すべきだ」と訴えました。
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