「武将の愛した有馬温泉」
九州大学基幹教育院教授
福田 千鶴 氏
神戸新聞情報文化懇話会の2月例会が25日、神戸市中央区北野町1のANAクラウンプラザホテル神戸でありました。九州大学基幹教育院教授の福田千鶴さんが「武将の愛した有馬温泉」と題して講演しました。
福田さんは1961年、福岡市生まれ。日本近世史を専門とし、主な著書は「幕藩制的秩序と御家騒動」や「淀殿」「豊臣秀頼」などがあります。
日本の三大名湯の一つ、有馬温泉は、多くの戦国武将などに愛されたが、中でも豊臣秀吉の愛しようは群を抜いており、記録に残る有馬訪問は計9回に上ったという。
福田さんは「秀吉は湯治に訪れていただけでなく、家臣を移住させていた。有馬に拠点をつくろうとしていた可能性もある」と指摘しました。
また、秀吉は「本能寺の変」後に対立した柴田勝家との「賤ヶ岳の戦い」や、徳川家康との「小牧・長久手の戦い」など、大事業(大戦(おおいくさ))の後や最中に休暇を取って有馬に足を運んでいたといい、福田さんは「有馬来訪を通して秀吉が送っていたライフスタイルが分かる」と話しました。
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