「岩下志麻が語る―女優そして人生」
女優 岩下 志麻さん
共同通信編集委員 立花 珠樹さん
神戸新聞情報文化懇話会の12月例会が12日、神戸市中央区波止場町の神戸メリケンパークオリエンタルホテルでありました。同会は400回を迎え、記念ゲストとして女優岩下志麻さんが「女優そして人生」と題し、共同通信編集委員の立花珠樹さんを聞き手に語りました。
岩下さんは、1958年にNHKドラマ「バス通り裏」でデビュー。60年に松竹に入社後、映画監督の篠田正浩さんと結婚した。「秋刀魚(さんま)の味」「極道の妻たち」など数々の作品で重要な役を務め、日本を代表する女優として活躍しています。
この日は、「秋刀魚の味」が遺作となった小津安二郎監督の命日。同作に出演した岩下さんは、失恋に心を痛めてせりふもなく巻き尺を回すシーンの撮影で、「悲しいときに悲しい顔をするもんじゃない」と100回もNGを出された苦い思い出を披露。人間の表情の奥行きを学んだといい、「演技を作っていく上で原点になった」と語りました。
映画「極道の妻たち」で有名な「覚悟しいや」というせりふは大好きだという岩下さん。「学校入るときでも就職するときでも、いつでも人間は『覚悟しいや』じゃないですか」。映画女優になって来年60周年。抱負を問われ「楽しめる役をやっていきたい」と語りました。
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