神戸新聞アドバイザーが講師に
「沖縄」「沖縄戦」をテーマに新聞をつくるのを前に6月5日、神戸市北区藤原台中町5の有野中学校で出前授業があり、3年生192人が記事の書き方や紙面レイアウトのポイントなどを学んだ。神戸新聞NIE・NIB推進部の三好正文シニアアドバイザーが講師を務めた。
3年生は5月26~28日、修学旅行で沖縄を訪れ、太平洋戦争末期の「沖縄戦」の実相を伝える沖縄県平和祈念資料館や、鍾乳洞探検や伝統芸能「エイサー」のパフォーマンスなど、沖縄の魅力を体感できる「おきなわワールド」などを見学した。
沖縄戦で米軍の沖縄本島上陸地となった比謝川で、当時の写真や遺構と現在の景色を比較する平和学習クルーズにも参加した。
授業では生徒がそれぞれ書きたいことを30字にまとめた。「平和祈念資料館で沖縄戦体験の証言を展示したり、ガマ(自然洞窟)に避難している住民の様子を再現したりしているのを目にして、平和の大切さを実感した」「現地を訪れて、米空軍の嘉手納基地の騒音が県民をどんなに苦しめているかが分かった」「沖縄戦犠牲者の氏名が刻まれた『平和の礎(いしじ)』=糸満市=に、県外や台湾出身者を見つけた」などと発表した。
三好アドバイザーは「戦争の記憶をつないでいくのは若い人たち。80年前、島民を巻き込んだ悲惨な戦争があった場所に立った経験を大切にしてほしい」と呼びかけた。記事の書き方では、書き出す前に仮見出しを考えることや、テーマから目を離さず書き進めることを強調した。
紙面レイアウトでは、トップ記事が大きく見えるように工夫するなど、メリハリとバランスのある紙面を製作する、などをポイントとしてあげた。
同校は、今回の取り組みを今年夏の「第30回NIE全国大会神戸大会」でポスター発表する。
[写真説明]書きたいことを発表する生徒=有野中学校
※5月26日、沖縄・平和祈念公園で行った同校の平和祈念セレモニーで黙とうした生徒たち。修学旅行を前に、生徒のみなさんが「黙とうのとき、何を祈るか」をつづりました。その決意や思いを紹介します。
※「わたしの感想NIE」に生徒のみなさんの感想を掲載しています。