「兵庫県知事選2024―ソーシャルメディアが変えた選挙の語り口とマスメディアの存在意義」
ジャーナリスト・メディアコラボ代表
古田 大輔 氏
神戸新聞情報文化懇話会の2月例会が、ANAクラウンプラザホテル神戸(中央区北野町1)でありました。ジャーナリストで日本ファクトチェックセンターの編集長を務める古田大輔さんが「兵庫県知事選2024―ソーシャルメディアが変えた選挙の語り口とマスメディアの存在意義」をテーマに講演しました。
古田さんはまず、偽情報が流される動機や拡散される理由、人がだまされる仕組みなどを解説。「偽情報は口コミ、会話の中で拡散されることが多い」「偽情報は悪意からつくられるが、拡散するときは善意や正義感から広がっていく」などとしました。
知事選については、有権者が新聞やテレビより交流サイト(SNS)や動画サイトを参考にしたという調査などを紹介。新聞やテレビは選挙期間中、各候補を同じように扱うため「人々が求める情報がない『情報の空白』が起きた」としました。
今後の選挙で知事選と同じ状況になる可能性は低いとしつつも、ソーシャルメディアの影響は拡大し続けると説明。「マスメディアの存在意義は今後、インターネットの中でどう情報を伝えていくかが勝負になっていく」と話しました。
「偽情報の拡散を止める方法はないか」という参加者の質問には、古田さんは「ファクトチェック団体などが偽情報を指摘しても投稿が消されないことが多い。法律やルールが整備されない限り、野放しのままになる」と現状を説明しました。
(C)神戸新聞社 ホームページに掲載の記事、写真などの無断転載、加工しての使用などは一切禁止します。