「阪神・淡路大震災30年目の検証」
減災環境デザイン室顧問、神戸大学名誉教授
室﨑 益輝 氏
神戸新聞情報文化懇話会の1月例会が、神戸ポートピアホテル(中央区港島中町6)で開かれました。減災環境デザイン室顧問で、神戸大名誉教授の室崎益輝さんが「阪神・淡路大震災30年目の検証」をテーマに講演しました。
室崎さんは、阪神・淡路からの復興で得られた教訓として「市民の活躍の重要性」を挙げました。生き埋めになった人の近隣住民による救済、まちづくりに向けた市民主体の合意形成を例に「災害時の地域のつながりや市民参加の必要性が示された」と評価しました。
一方で、昨年1月の能登半島地震では、災害関連死や行政の初動対応の遅れ、雑魚寝状態の避難所など劣悪な避難環境がみられ「大震災の経験が蓄積されていない」と指摘しました。
その上で、防災・減災の実現へ、成功事例だけでなく「反省点も伝える姿勢が必要」と訴えました。
室崎さんは、阪神・淡路の発生当時、学生と家屋50万棟の被害を調査した。その際、マスク持参などの安全対策をしていなかったといい「事前に準備しておくべきだった。まずかったことは繰り返されないよう教訓に残す」と話しました。
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