■有馬高校(7月13日、対象・2年生197人) 神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーが「新聞の読み方」をテーマに授業を行った。「多様な情報を得るには、記事を一覧できる新聞から、不得意分野の記事を入手するのが近道」と強調。朝刊から「夏」を感じる記事を探すワークショップも行った。
2023年7月アーカイブ
日本新聞協会が発行している「NIEニュース」第102号の同協会NIEアドバイザー紹介コーナーに、姫路市立豊富小中学校の川村かおり教諭、尼崎市立南武庫之荘中学校の中嶋勝教諭、西宮市立浜脇中学校の西村哲教諭、兵庫県立伊川谷高校の福田浩三主幹教諭、愛徳学園中・高校の米田俊彦教諭が掲載されています。
ぜひお読みください。
※5人の先生の抱負はこちら
「何を一番記事にしたいか」まとめて 取材のポイント、紙面製作を指南
兵庫県内の中学2年生が地域の事業所などで働く「トライやる・ウィーク」。生徒がそれぞれの職業体験を振り返り、個人新聞にまとめる取り組みが活発になり、兵庫県NIE推進協議会が各地の中学校で、取材のポイントや新聞製作のノウハウを教える出前授業を続けている。
5月18日、姫路市立家島中学校(同市家島町宮)で出前授業があった。2年生10人が島内外の幼稚園や小学校、ラーメン店、介護施設、ペットショップ、スーパーで働くのを前に、インタビューの仕方や取材時のメモの取り方、よい写真の撮り方などを学んだ。
トライやる期間(6月5~9日)終了後の6月12日には、生徒たちが体験したことを紹介し合い、「何を一番記事にしたいか」を短文にまとめ、記事の書き方や見出しのつけ方、紙面レイアウトなどについて学んだ。
両日とも講師を務めた同協議会事務局長は「働く楽しさや苦労したことを自分の言葉で伝えよう」「『トライやる』を自分の夢を見つけるきっかけにしよう」と呼びかけた。6月12日の授業では、生徒から「毎日の授業など、小学校の先生の仕事は大変だと感じた」「ペットショップでウサギの餌やりを体験できてよかった」などの感想が聞かれた。
同協議会では1学期、明石、加古川市の計3中学校の2年生約670人を対象に同様の授業を行った。取材時の参考にしてもらおうと、講師が担当教諭に「好きなもの」をテーマにインタビューし、その場で記事にしたり、生徒がお互いにインタビューしたりするワークショップをすることも多い。
「トライやる・ウィーク」は1995年の阪神・淡路大震災、97年の神戸連続児童殺傷事件をきっかけに、兵庫県が心の教育を見直そうと、98年から始めた。家島中の下村早希教諭は「出前授業を通し、読み手に伝わりやすいまとめ方を知ることができた。新聞づくりは、自分の考えを形にするきっかけになったと思う」と話している。
[写真説明]「トライやる・ウィーク」の感想を話し合う生徒たち=6月12日、姫路市立家島中学校
三好正文(兵庫県NIE推進協議会事務局長)(7月21日)
西宮市立浜脇中学校(生徒数840人)は2023年度、教育課程・学校教育目標に「NIE活動」を掲げた。社会とつながる個と集団の育成に向け、NIEの定着を図りたい。生徒たちに現代的な課題に向き合うスキルと態度をはぐくんでもらい、地域や社会とつながる数多くの機会を提供したい。
さらに、主体的な学びを通して、社会全体を多面的・多角的に考察し、他者と対話する中で、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の11番目「住み続けられるまちづくりを」を地域のテーマとし、主権者教育にもつなげたい――。そんな思いをこめた。
具体的なNIE活動としては、いずれも全校生で週1回取り組んでいる「朝NIE活動」と「NIEノート」が挙げられる。「朝NIE活動」は10分間、生徒たちが、新聞社が作成している「新聞ワークシート」に挑戦し、時事問題への関心を高めている。「NIEノート」は各自が自宅で興味のある記事をスクラップし、意見や感想、提案を書き込んだ上、社会科授業の冒頭に意見交換し、数人が調べたことなどをプレゼンテーションしている。
◆
本年度、当校では、兵庫県NIE推進協議会と連携して「大学・企業の協力と支援を学校につなぐNIE活動」研究会も発足させた。NIEとSDGsを関連づけた取り組みなどを続けている。
まず、日本国際博覧会協会主催の「リサーチミーティング」に毎年、全校生が参加している。大阪ガスや阪急阪神HD、大日本印刷、三菱自動車、NTTなど著名な企業によるSDGs講座を通じ、各企業のSDGsの取り組みを学んだり、企業と生徒の双方向でディスカッションしたりしている。
二つ目は、桃山学院大学ビジネスデザイン学部(大阪市)と神戸ウォーターフロント機構、読売新聞社が主催する「中高生SDGsアイデアコンテスト」に、希望する生徒が参加している。
神戸臨海地域の未来を考えるコンテストで、本校は22年度、最優秀の神戸ウォーターフロント機構賞を受けた。シービン(海洋ごみ回収装置)の活用により湾内清掃から回収したペットボトルを再利用してブローチなどにして神戸市内で販売する――という提案が評価された。
併せて、優秀賞の桃山学院大学ビジネスデザイン学部賞も受けた。こちらは、KOBERというアプリを活用し、神戸市内を一つのテーマパークとする。その街中を歩くとポイントが貯まり、協賛店で活用できる。また歩道に発電機を設置し、歩く重みによって街で使う電気を作るという提案だった。
三つ目は、SDGsとEXPOを絡めた学習だ。1年生の校外学習として、2025年大阪・関西万博に主体的な学びの中で参加しようという思いで続けている。おおさかATCグリーンエコプラザでのSDGs学習や、日本万国博覧会協会によるEXPO2025の学習、エイジレスセンターでの福祉教育などを関連づけ、楽しみながら学んでいる。
最後に、アイデアミーティング。SDGsの11番目の目標「住み続けられるまちづくりを」をテーマに、生徒各自が、新聞記事から題材を見つけ、その記事内容に関連づけ、自分たちの住んでいるまちの発展や課題解決に向けて、アイデアを練ってプレゼンテーションしている。
こうした取り組みはいずれもNIEがベースにあり、新聞を通じて社会問題への関心や理解を深めていく中で、生徒たちが多様な学びを深化させている。
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今後は、地域とのつながりや、幼稚園や小学校との連携をいっそう強めたい。生徒たちが地域課題の解決策を考え、まちの可能性を見いだし、主体的にまちづくりに参画していくようNIE活動を継続していきたい。
渋谷 仁崇(日本新聞協会NIEアドバイザー/西宮市立浜脇中学校主幹教諭)(7月18日)
[写真説明]日本国際博覧会協会の講座に参加した浜脇中の生徒たち=今年5月24日、おおさかATCグリーンプラザ(大阪市住之江区)
7月6日、神戸新聞本社で開催、参加者45人
【参加者の感想】
奥藤 美預子・神戸市立白川小学校・横尾小学校 学校司書
大変有意義でした。
新聞を活用した教育というとイベント的な授業を思い浮かべがちなのですが(少なくとも私はそう思い込んでいました)、他校様の取り組みを知るにつれ、新聞記事をタブレットを使って日常的に配信し、週に何度か時間を決めて(朝の会や業間休みなど)視写や要約などを行い、学力を底上げするなど、日常的に新聞を活用して学びを積み重ねていく方法もあるんだな、と目からうろこが落ちるようでした。
このようなセミナーを通じて、他校様と交流させていただけたことで、改めて、司書としてできることは何かということを考えさせられました。
この情報を早速本校教員と共有し、新聞を活用した教育として私たちに何ができるかということを考えていきたいと思います。
赤木 富美子・兵庫県立山崎高校教諭
去る7月6日、NIE兵庫セミナーに参加させていただき、ありがとうございました。他校の取り組みや新聞記者の方のお話を聞けて、とても勉強になり充実した時間となりました。日頃、生徒の視野を広げようと、新聞記事を素材とした課題を作成しています。将来のことを具体的に考え始めた生徒ほど、意欲的に取り組んでくれています。人口減少に悩む宍粟市にある高校の使命としては、地域課題に関心を持つ生徒を育てていくことが急務です。新聞を利用した他校の取り組みを参考にしながら、これから探究活動として何ができるかを考えていきたいと思っています。
澤田 祥司・神戸市教委教科指導課主事
新聞教育を通して子どもたちの社会への興味、関心を高め、考えを深めようとする先生方の実践に感銘を受けた。記事を要約したり、自分の考えを書いたりする活動や、見出しやリード文を考えたり構成を考えたりする活動などを通じて、現座の子どもたちの課題となっている書く力や表現する力を育むことができると感じた。
社会全般で新聞離れが叫ばれる昨今だが、学校と社会をつなぎ、子どもたちが探究的な学びを追究していくためにも、正しい情報が掲載されている新聞は必要不可欠なものだと改めて感じた。子どもたちにとって新聞がもっと身近なものとなるよう、新聞を通して学習することのよさを発信していきたい。
伊東 広路・日本NIE学会
大手新聞社で学事支援業務を約12年間担当し、現在は日本NIE学会で私的に研さんを重ねている。
セミナーの発表で印象に残ったのは、授業内容を記者と構築した実践。NIEを検討したい教員にも、人材育成を要する新聞社にも参考になるのではないか。ICTの活用例も参考になった。情報から探究活動まで、教科横断型や単元学習を考える手法の一つとして有効だろう。新聞社もDXを進める中、次世代読者の育成のあり方を考えさせられた。
所属に分かれての意見交換は、多くの感想や意見が聞けて、新聞活用の課題や要望も共有できた。新聞社に所属する者として「もう少し現場の話を聞きたい」と感じている間に終了。自身の探究もさらに深めたい。
神戸新聞アドバイザーが講師に
ネット時代、新聞をどう読むか―。「新聞の読み方講座」が7月13日、三田市天神2の有馬高校であり、2年生197人が参加した。同校は日本新聞協会のNIE実践指定校。神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーが講師を務め、「普段読まない分野も含め、多様で信頼できる情報を紙面から得よう」と呼び掛けた。
三好アドバイザーは「みんながSNSで知るニュースも、もともと多くが新聞記事。森羅万象が書いてある新聞をざっと読むと物知りになる」と、気軽に紙面をめくることを勧めた。
新聞の特長として、大事なことから書く「逆三角形」▽さまざまな分野のニュースがそれぞれの面に載っている「網羅性」▽一目で紙面全体が見られる「一覧性」▽事実の裏付けをして掲載する「信頼性」―などを挙げた。それらの特長を踏まえ、「逆三角形スタイルなので、見出しと前文のみ目を通せば、きのうの出来事をおおよそ把握できる。興味が広がれば記事を読み込んで詳しく知ることができる」と説明した。
「インデックスや『何面に関連記事』といった案内も参考に、関連記事も読んでほしい」と話した。
さらに「ウクライナ危機など、先が見通せない時代には正しい情報を選び、自身がよりよい未来をつくるエンジンになることがいっそう求められる」と強調。「ネット時代に多様な情報を得るには、記事を一覧できる新聞から、不得意な分野のニュースを入手するのが近道」とも話した。
新聞の網羅性を知ってもらおうと、この日の朝刊から夏を感じさせる記事や、ウクライナ危機の関連記事を探すワークショップも行った。
[写真説明]意見交換しながら、関心がある記事を選ぶ生徒たち=有馬高校
※「わたしの感想NIE」に生徒のみなさんの感想を掲載しています。
2023年度のNIE兵庫セミナー(兵庫県NIE推進協議会主催)が7月6日、神戸ハーバーランドの神戸新聞社で開かれ、県内外から教育関係者約45人が参加した。
会長に就任したばかりの竹内弘明氏の「新聞につづられる熱い思い、人の心を子どもたちへ伝えたい」という温かいメッセージで幕開け。記者講演は、時事通信社神戸総局の水島信総局長が登壇した。本社政治部記者として長年取材した体験から「政治家のエピソードもおもしろおかしく伝えられることがある」として、全ての情報の真贋(しんがん)を見極める▽無責任に拡散しない―などの留意点を挙げた。「情報リテラシー」をテーマにNIE展開するときにも活用できそうだ。
続いて、小中高校各1校から実践報告があった。神戸市立白川小学校の長﨑康子校長は、推進協議会による記者派遣事業(出前授業)の取り組みなどを発表。出前授業が初めての記者からの提案で、記者が担当教諭にインタビューし、その場で記事にしたことを紹介。5分で記事を書き上げたときの子どもたちの驚きなど、発表からは「ゼロから創り上げる出前授業」の楽しさが伝わってきた。
姫路市立飾磨中部中学校の佐伯奈津子教諭は、長年にわたるNIE実践について報告。新聞から魅力ある写真を切り抜いて校内に掲示したり、授業で新聞の読者欄へ投稿したり、地元新聞社の報道展示室を訪ねたり、多様な取り組みを紹介した。「誰でもできる、継続的に」というキーワードが印象的で、多くの人を巻き込んで、楽しみながらできる活動は、すぐにまねできそうだった。
愛徳学園中・高校(神戸市垂水区)の米田俊彦教諭は、電子版の新聞を活用した事例を報告した。「週刊国語表現」と題し、生徒用端末に記事を配信し、日常の中でより多くのニュースに触れさせることで、生徒たちは新聞の面白さに気づく。そうすると、生徒たちは主体的に新聞を読み、コメントを考えて書くようになる。新聞活用の効果は計り知れない―という報告だった。
その後、参加者は4グループに分かれ、意見交換会を行った。テーマは、「わが校の〝探究〟を紹介しあい、企画を磨く」。中学校グループでは、主権者教育や防災教育、人権教育、道徳教育、ICT教育など、多岐にわたる新聞活用のアイデアを知ることができた。もう20年以上もNIE活動に取り組んでいる先生、これから取り組もう―とセミナーに初参加したという先生、NIE実践指定校の校長先生、新聞社の方などと「さらなるNIE実践を持ち寄り、ぜひまた会いましょう」と再会を約束するほど、話が盛り上がった。
小学校グループからは、こども新聞の活用の実際、高校グループからは「総合的な探究の時間の情報源として新聞は欠かせない」などの報告があり、新聞活用の場面が広がりをみせていることを参加者全員で共有した。
学習指導要領では、新しい時代に必要となる資質・能力として、生きて働く知識・技能の習得▽未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力等の育成▽学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力・人間性の涵養(かんよう)―の三つの柱が掲げられている。これらの資質・能力の育成のため、NIEが果たす役割や可能性を改めて感じることのできるセミナーとなった。
赤松 三菜子(兵庫県NIE推進協議会特任アドバイザー/神戸市立高倉中学校長)(7月11日)
[写真説明]NIEの取り組みについて校種別に意見交換する参加者=神戸新聞社
2023年度のNIE兵庫セミナーが7月6日、神戸市中央区の神戸新聞社で開かれた。兵庫県内の小中高校などの教員ら45人が参加し、教育現場での新聞活用について話し合った。
NIE(教育に新聞を)活動を進める兵庫県NIE推進協議会が主催。NIE実践の知見を広げるため、毎年実施している。
時事通信社の水島信(まこと)神戸総局長が「通信社から見たNIE」と題し、情報リテラシー(読解力)の重要性について講演。続いて、学校での実践事例を教員ら3人が発表した。
うち神戸市立白川小学校(同市須磨区)の長崎康子校長は、新聞記者の出前授業を実例に挙げ「災害などの現場を経験した記者から直接聞く話に、勝る学びはない」と魅力を語った。電子版の新聞を活用した事例なども報告された。
参加者は四つの班に分かれて意見交換。「どうすれば新聞に親しんでもらえるか」といった共通の課題を巡り、各校の取り組みを紹介しながら考えた。(小野坂海斗)=7日付神戸新聞朝刊ひょうご総合面
[写真説明]NIE活動について意見を交わす参加者=神戸市中央区東川崎町1
※セミナーの実践発表のうち、愛徳学園中・高校・米田俊彦教諭の活動報告はこちら。
※セミナーに参加された神戸市立高倉中学校・赤松三菜子校長の寄稿はこちら。
※参加者の感想はこちら。
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出前授業やNIE実践例を報告 NIE兵庫セミナーに45人 記者講演も
2023年度のNIE兵庫セミナーが7月6日、神戸市内で開かれ、兵庫県内外の小中高校や特別支援学校、新聞・通信各社から約45人が参加した。教育現場での新聞活用に取り組む、兵庫県NIE推進協議会(竹内弘明会長)が主催。小中高校3校からは、記者の出前授業やNIE実践の報告があった。
報告のうち、神戸市立白川小学校の長﨑康子校長は、同推進協議会による記者派遣事業(出前授業)の活用法を紹介した。
出前授業が初めてだった記者と事前打ち合わせし、記者が担当教諭にインタビューし、その場で記事を執筆することになった。記者は5分で記事を書き上げ、児童たちから歓声が上がった。試みは大成功。児童たちも記者がどう質問したか、それをどう記事にしたかを参考にしながら、お互いにインタビューし記事を書いたという。長﨑校長は「受け身でない出前授業」の魅力を語り、その記者にはその後も出前授業を依頼したという。
姫路市立飾磨中部中学校の佐伯奈津子教諭は、新聞から魅力ある写真を切り抜いて校内に掲示する▽新聞の読者投稿欄に応募する―など、自身が長年続けてきた、肩ひじ張らないNIEの取り組みを紹介した。
愛徳学園中・高校(神戸市垂水区)の米田俊彦教諭は、電子版の新聞を活用し、生徒用の端末に数多くの記事を配信している。日を追うごとに、生徒が「新聞の面白さ」に気づき、記事に対するコメントの行数が増えていく様子を報告。目に見えるNIEの効果が、参加者の関心を集めた。
その後、参加者は4グループに分かれて意見交換。各校の取り組みが紹介され、初参加の教員も熱心に耳を傾けた。
記者講演もあった。時事通信神戸総局の水島信総局長が「通信社から見たNIE」と題し、情報リテラシーの重要性について話した。フェイクニュースの取り扱いについて、実例を示しながら、すべての情報の真偽を見極めるとともに、無責任に拡散しない―などのポイントを挙げた。=新聞情報7月22日号
[写真説明]学校でのNIEの取り組みについて意見を交わす参加者=神戸市中央区東川崎町1、神戸新聞社
■加古川市立加古川中学校(5月23日、6月14日、対象・2年生295人) 神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーが講師を務めた。生徒たちは、就業体験「トライやる・ウィーク」で見聞きしたことを新聞にまとめよう―と、事前に取材やインタビューのコツ、事後に新聞づくりのポイントを学んだ。
県NIE推進協議会会員の新聞・通信社で5月、人事異動があり、朝日新聞神戸総局長が堀江泰史さんから山崎直純さんに交代した。人となりを自己紹介で―。
朝日新聞社神戸総局長 山崎 直純
時代に負けず 次代につなぐ
5月10日付で着任しました。1991年に入社し、神戸総局は1994年~95年にかけて駆け出し記者として過ごし、阪神淡路大震災も被災者のひとりとして経験しました。以後、新聞編集者として大阪本社と東京本社で過ごしてきました。総局勤務は28年ぶりです。
東京生まれですが神戸勤務以来、関西に移住。東京本社での単身赴任が10年弱ありますが、阪神間を拠点とし14年前からは神戸市に定住しています。
「新聞は必要なのか」。新聞編集者としてそんな問いに向き合ってきました。22年10月の日本新聞協会のまとめによると、全国の新聞発行部数は3084万6631部。全国では1年間で約218万部の減少です。兵庫県の発行部数133万7389部を超える読者が新聞購読をやめています。
新聞の発行部数と世帯数の推移|調査データ|日本新聞協会 (pressnet.or.jp)
小学5年生になる私の長女のクラスでも新聞を購読いただいている家庭は限られています。10年ほど前、大阪本社のNIE担当者から「新聞を読んだことがないではなく、見たことがない。そういうこどもたちが多いんですよ」と聞き、驚きそして納得しました。
編集者として私は10年前に「知る原爆」、「知る沖縄戦」というプロジェクトを社内で立ち上げ、今でも全国の希望校に毎年無料でコンパクトサイズの新聞をお届けしています(23年9月まで希望校募集中)。
https://www.asahi.com/corporate/info/14890632
昨年は通学路での事故防止をよびかける「キケンをさがせ みえない交差点for school」をつくりました(22年度の募集終了。23年度は未定)。
https://digital.asahi.com/articles/ASQ8T521JQ8KDIFI00T.html
このほか朝日新聞朝刊に朝日小学生新聞の1ページをそのまま掲載してみたり、アニメ「鷹の爪」とコラボした動画解説をつくって朝刊にも掲載したりと、こどもたちに関心を持ってもらえるような取り組みをしてきました。
https://www.youtube.com/watch?v=H7LZhWXzFXc
でもやはり一番は、こどもたちに直接「新聞っておもしろいよ」と語りかけていただくことだと思います。「ニュースなんてネットで読める」と言われる時代です。信頼性が高く、自分では絶対に選ばないニュースが目に入る。「新聞」の良いところを守り、時代に負けず、次代につなげるために微力を尽くしたいと思っています。
今後ともよろしくお願いいたします。