2022年4月アーカイブ

■尼崎市立南武庫之荘中学校(4月26日、対象・3年生233人) 神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーが「ウクライナ侵攻を終わらせるため、わたしたちに何ができるか」をテーマに授業を行った。生徒たちは数人ずつの班に分かれて意見交換し、人道支援団体に寄付する―などの意見が出た。 

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神戸新聞アドバイザーが講師に

 ロシアによるウクライナ侵攻開始から2カ月がたった。「戦争終結に向け、わたしたちに何ができるか」を考える授業が4月26日、尼崎市南武庫之荘4の南武庫之荘中学校であり、3年生233人が参加した。神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーが講師を務めた。

 ウクライナ側の発表では、ウクライナ侵攻による民間人死者は推定2万4千人を超えている(4月22日現在)。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、国外に逃れた避難民は約508万人に上っている(4月21日発表)。

 どうしたら戦争を終わらせることができるのか―。生徒たちは数人ずつの班に分かれて話し合い、発表した。「人道支援を続けている団体に寄付する」「避難民受け入れを進める」「世界各国が助け合い、終戦に導く」などの意見が出た。

 三好アドバイザーは「どうすれば平和な世界を取り戻せるのか、ウクライナ侵攻について友達や家族と話し合ってみよう。世界と日本の未来を考える大きな契機にしたい」と強調した。

[写真説明]戦争終結に向け、何ができるか―。意見を交わす生徒たち=尼崎市南武庫之荘4、南武庫之荘中学校

※同校は本年度、日本新聞協会のNIE実践指定校(継続校)に内定。「わたしの感想NIE」に生徒のみなさんの感想を掲載しています。

■須磨友が丘高校(4月13日、対象・2年生約240人) 神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーが「新聞を使った調べ学習」の授業を行った。生徒たちは朝刊から気になる記事を選び、A3判の用紙に貼り付け、周りにネットで調べたことや感想を、他の生徒の用紙には記事の感想などを書き込んだ。

生徒の感想 

伊川谷高校(4月18日、対象・3年生41人) 神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーが「ウクライナ有事と新聞報道」をテーマに授業を行った。ロシアに対する日本の経済制裁についても解説。生徒たちは数人ずつのグループに分かれ、「戦争終結に向け、わたしたちに何ができるか」を話し合った。

生徒の感想

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神戸新聞アドバイザーが講師に

 ロシアによるウクライナ侵攻と新聞報道をテーマにした授業が4月18日、神戸市西区伊川谷町長坂の伊川谷高校であり、3年生41人が参加した。神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーが講師を務めた。

 生徒たちはウクライナとロシアの歴史やロシア軍の侵攻状況などを予習し、授業に臨んだ。

 三好アドバイザーは、有事(国家の非常事態)におけるメディアリテラシー(メディアの情報を正しく見極める技術)を身につけるため、関連記事にざっと目を通し、全体像をつかむ▽各メディアの記事を読み比べ、視点の違いを考える―などを勧めた。

 ロシアのプーチン大統領が軍事行動に踏み切った背景や、ロシアに対する日本の経済制裁などについても解説。「ロシアによる軍事侵攻は、主権国家への明らかな侵略。力による外交は絶対あってはならない」と強調し、「ウクライナ侵攻を世界と日本の未来について考える大きな契機にしよう」と呼び掛けた。

 生徒たちは数人ずつのグループに分かれ、「戦争終結に向け、わたしたちに何ができるか」を話し合った。「募金や避難民の支援など、ウクライナへの人道支援を行う」「『NO WAR』の声を上げ続ける」「ウクライナで何が起きているか、SNS(会員制交流サイト)で正しい情報を発信し続ける」などの意見が出た。

[写真説明]戦争終結に向け、わたしたちに何ができるか―。意見交換する生徒たち=神戸市西区伊川谷町長坂、伊川谷高校

※同校は本年度、日本新聞協会のNIE実践指定校(継続校)に内定。「わたしの感想NIE」に生徒のみなさんの感想を掲載しています。

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神戸新聞アドバイザーが講師に

 NIEの一環として、「新聞を使った調べ学習」の授業が4月13日、神戸市須磨区友が丘1の須磨友が丘高校であり、2年生約240人が参加した。神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーが講師を務めた。

 生徒たちはまず、新聞の特長として、各ページをめくって眺めるだけで必要な情報がざっと分かる一覧性や網羅性について学んだ。

 続いて、数人ずつの班に分かれ、この日の神戸新聞朝刊から、各自が気になった記事を選んでお互いに紹介。A3判の用紙に貼り付け、周りにその記事を選んだ理由や、記事について疑問に思ったこと、ネットで調べたことを、ほかの生徒の用紙には記事に対する感想などを書き込んだ。

 ウクライナ有事やコロナ禍をはじめ、成人年齢が18歳に引き下げられたのに合わせた連載「成人未満・3人の元少年」、レズビアンと公表している元タカラジェンヌのインタビュー記事、バイデン米政権による臨界前核実験の実施、京大病院が血液型異なる生体肺移植を実施、大阪の激安スーパー「玉出」新業態で芦屋進出、論説委員のコラム・日々小論「冷静なドラマー」など、多彩な記事が選ばれた。

 三好アドバイザーは「関心を持った事柄について現状や経緯、背景を下調べして、もっと知りたくなったら疑問点をどんどん書き出し、本格的に調べよう」と呼び掛けた。

[写真説明]選んだ記事について調べたことを書き込む生徒たち=神戸市須磨区友が丘1、須磨友が丘高校

※同校は本年度、日本新聞協会のNIE実践指定校に内定。「わたしの感想NIE」に生徒のみなさんの感想を掲載しています。

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 明石市内の教員らでつくるNIEの研究会が3月末、約15年間にわたって世話人を務めてきた同市立大久保小学校の若生(わかお)佳久主幹教諭(60)=日本新聞協会NIEアドバイザー=の定年退職に伴って休会した。1991年4月の発足から30年余り、数多くの新聞を活用した授業に取り組み、兵庫のNIEの推進力となってきた。

 若生教諭は現在、再任用教員として同校の教壇に立ち、「研究会はひとまず休会するが、今後もNIE活動の幅を広げていきたい」と話す。

 若生教諭が研究会に初めて参加したのは、高砂市内の小学校から明石市立二見北小学校に異動した97年。同僚の誘いだった。「新聞を使った授業は面白い」と熱中し、赴任した市内各小学校で、多様な教科・領域でNIEを展開してきた。

 当番の児童がその日の記事から「イチオシ記事」を発表する▽各自が気に入った記事を1週間分スクラップし、新聞を作る▽新聞から文字数の多い熟語(複合語)を探すーなど。「4コマ漫画で『起承転結』を学ぼう」と、「新聞に載っている大きな数を探そう」は、日本新聞協会が2020年発行した、教員向けガイドブック「 新聞で授業が変わる(小学校編)」に収録された。

 研究会は、あかし教育研修センターの助成を受け、大久保小学校の教諭5人が活動。21年度は、国連のSDGs(持続可能な開発目標)をテーマに新聞を作るなどしたが、若生教諭が定年を迎えたことで、活動に一区切りつけた。

 若生教諭は「社会の動きを知るツールとして新聞は最適。情報通信技術(ICT)機器を活用した授業が主流になっているが、新聞紙の紙媒体の実践も続けていきたい」と話している。

三好 正文(兵庫県NIE推進協議会事務局長)(2022年4月11日)

[写真説明]ウクライナ有事の記事を教材に、見出しから前文を考える授業を行う若生教諭=3月16日、明石市立大久保小学校

 兵庫県NIE推進協議会が任命する特任アドバイザーに神戸市立高倉中学校の赤松三菜子校長にご就任いただいた。2022年度から。NIEに関心が高く、21年度は実践指定校の校長を務められた。抱負を寄せていただいた。

   輝く心と力を育むNIE

                                                  神戸市立高倉中学校 校長 赤松三菜子

   高度情報化社会では、SNS等の普及により、多くの情報が多様な手段で届けられます。学校で、子どもたちが新聞を活用した学習に取り組み、バランスの取れた情報を主体的に学び得て、仲間との対話により自分の考えを深めることは「生きる力」につながります。

  また、予測困難な未来社会を生きる子どもたちが、時代の変化に柔軟に対応していくためには、「時代を読み取る力」と「しなやかな心」が必要です。令和の時代、NIEの実践を通じて、人として輝く力と心を育むことの重要性を改めて実感しています。

  よりよい学校教育を目指すためには、地域を知り、地域に学び、地域を生かすことも大切です。NIEの実践は、次代を担う子どもたちが視野を広げ、地域や社会の中で課題を発見し行動できるよう、教育活動の質を高めていくと考えています。

  過去に学び、今を知り、未来に生かすことは、新学習指導要領の「生きる力 学びの、その先へ」とつながることでしょう。NIE特任アドバイザーとして一緒に学びを深めていければ幸いです。

  NIEアドバイザーの名簿はこちら

 2020~21年度、NIE実践を続けてきた10校の校長と実践代表者に取り組みをふりかえってもらった。(敬称略)

新聞から広がる世界
【伊丹市立天神川小学校】
       校長    津田 康子
       実践代表者 渡邊 奈美
 本校は本年度、実践2年目を終えた。コロナ禍で人と人の関わり方が難しい中での実践となった。昨年度・本年度の取り組みでは、普段新聞に慣れていない児童への興味付けを中心に行った。「ことまど」やエクセルでの新聞作りや、いつでも自由に読めるNIEコーナーの設置を行った。また、記者の仕事の内容や、見出しの付け方も学習した。この2年間の実践を通して、新聞の存在は、情報を得たり、発信したりする力を高めるものになった。そして、児童自身が新たな情報への関心を広げることができた。

NIEノート」~日常の取り組みへ~
【西宮市立浜脇中学校】
       校長    辻村  隆
       実践代表者 渋谷 仁崇
 本校は2019年度からNIE活動を開始、20年度から指定校となった。21年度からは全校生がNIEノートを作成し、週1回以上記事をまとめた。その中で、SDGsプログラム、ジュニアEXPO、記者派遣事業など多くを主体的・多面的に学ぶ生徒が増えた。新聞各社には記事を取りあげてもらった。今後も学校全体で取り組み、地域ともつながりをもち、幅広いNIE活動を推進したい。社会の動きへの興味関心を高め、世界に目を向け、社会的思考力を持って、意見やアイデアを表現できる人物育成を目指す。

記者派遣と新聞製作で成果
【兵庫教育大学附属中】
          校長    上野 佳哉
       実践代表者 橋本美砂子
 ①記者派遣事業として、産経新聞の小林記者をお招きし、「新聞記者の視点から語る〝ミライ〟に必要な力」というテーマでお話しいただいた。続いて、各学年の代表者と小林記者との座談会を開催。「興味がわく新聞とは?」「どのように取材するのか?」「勉強の大切さ」等、話題は多岐に渡った。②キャリア探究総合では、神戸新聞の三好アドバイザーを講師に15回にわたる授業を展開した。生徒たちはSDGsをテーマに、各々が選んだ新聞記事から各自が捉えた課題を探究し、その考えを「ことまど新聞」へまとめた。

「考える授業」さらに実践
【愛徳学園中・高】
       校長    宮内 健一
       実践代表者 米田 俊彦
 コロナ禍の中、ICTを用いたリモート授業やタブレット端末を用いた授業でも新聞が活用でき、生徒の考えが深まることを実感できた。(県推進協HP「セミナー・発表会―」に記事や感想があります)。今年1月には愛徳学園小・中学校をZoomでつないで交流授業を行い、児童・生徒が新聞を仲立ちとして学び合うことで、互いに学びが深まり、学校をつなぐ授業の可能性を強く感じた。(同HP「教員によるNIE実践」に記事や感想があります)これからも新聞を用いた新たな考える授業の実践に取り組んでいきたい。

Chromebookを活用
【蒼開中・高】
       校長    阪口 寛明
       実践代表者 奥村 智紀
 NIE実践指定校となって2年目の2021年度は「情報」の授業の中でChromebookを活用し、紙媒体・データ媒体双方から新聞記事に触れる機会を設け、ICT導入によるアプローチを行った。また探究活動と連携し、自分で課題を設定し、その課題を解決する〝問題解決能力〟を育成できた。しかし、情報があふれる現代社会においては、情報を収集・発信する力はもちろん、誤った情報をうのみにしない力(情報リテラシー)が必要である。今後、新聞そのものに触れる機会を増やしつつ、情報リテラシーの育成を図りたい。

「正解のない問い」に挑む
【県立神戸高塚高】
       校長    高本正道
       実践代表者 伊東琢麿
 2019年度から新学習指導要領「総合的な探究の時間」を先行実施し、3年計画の探究プログラムを作成。初年度は新聞を利用し「情報収集・分析・まとめ・発表」法を指導した。20~21年度はNIE指定校として、生徒に4カ月分6新聞がある環境を提供できた。「正解のない問い」にあふれる現代でアンテナを張り巡らせ「自ら課題を発見し、課題解決に取り組む姿勢と手法」を身につけるよう取り組んだ。県立高は22年度から全入学生がタブレットを日々活用する。目的に応じ情報を適正に活用できるよう指導する。

批判的・多角的視点を醸成
【県立兵庫高】
       校長    升川清則
       実践代表者 岩見理華
 本校は2020年度、文部科学省「地域との協働による高等学校教育改革推進事業」(グローカル型)の指定を受け、「総合的な探究の時間」を先行実施している。本授業では、SDGsの視点に基づく世界の課題につながる地域の課題を自分ごととして捉え、解決策を提案する探究学習に取り組んでいる。NIEは、新聞記事を活用した話し合いによる課題の発見や、調査内容をまとめる学習に記者派遣事業を位置づけた。生徒たちは、NIEを通して社会的課題について関心を高め、批判的・多角的な視点を身につけることができた。

「防災・災害」テーマに
【県立明石西高】
       校長    樫木 直人
       実践代表者 上田多江子
 本校では、1年次の総合的な探究の時間で、「防災・災害」をテーマとした課題研究を行っている。その過程で、新聞記事の読み方講座や、「神戸新聞の7日間」のDVD鑑賞、新聞等を参考文献としたミニ論文作りに取り組んだ。また、図書館前のNIEコーナー設置、各教科の授業での新聞活用を行い、生徒が積極的に新聞に触れる機会を設けた。2022年度の新入生からは1人1台情報端末を購入するので、情報機器を用いた新聞活用の授業開発を行い、生徒の学びに向かう力を育成したい。

新聞が身近な存在に
【県立西宮高】
       校長    萩原 健吉
       実践代表者 宮垣佳寿子
本校は、1年次で地域的な課題、2年次でグローバルな課題(SDGsのゴール)の解決に向けた探究学習に取り組んできた。この取り組みの中で、ネットで情報収集し、新聞離れしている生徒にとって、新聞は紙面を通して多くの情報が提供されていることに気づいた。さらに、新聞記者の講演で新聞記事の信憑(しんぴょう)性を知った。レポート作成等に用いることで、新聞を身近に感じるようになったことが一番の成果である。今後は「課題研究」の資料としても活用できるよう、閲覧方法を工夫していきたい。

社会に目を向ける教育活動を
【県立多可高】
       校長    殿井 瑞穂
       実践代表者 盛岡 宗太
             植山 正彦
 本校は、2年間のNIE実践を通じて、新聞を活用し、他者と意見交換することで多様な価値観に触れ、社会の変化に対応できる力の育成を目指してきた。1年目は新聞自体に抵抗感を示す生徒も多かったが、2年目になると、生徒がさまざまな出来事に対して、他者の意見や考えを認めながら、主体的に話し合う姿が散見された。ここで実践指定校としての期間は終えるが、今後もこの取り組むを生かして、生徒が日々の変化を敏感に感じ取り、社会に目を向けていくよう、日々の教育活動を行っていきたい。