2019年10月アーカイブ

yamadatyuu.JPG

 NIE(教育に新聞を)活動の一環として、時事通信社神戸総局の島内真人総局長が10月30日、神戸市北区山田町下谷上の山田中学校で「新聞をもっと知ろう」と題して講演した=写真。同校は日本新聞協会のNIE実践指定校。講演には1年生97人が参加した。

 島内総局長は「新聞には、世の中で起こっていることや、知っておく必要があることが、事実の裏付けをした記事として掲載されている」と話し、生徒たちに「気になった記事を拾い読みしてみよう」と呼び掛けた。
 新聞と、フェイクニュースが拡散される会員制交流サイト(SNS)の違いにも触れた。関根茉那(まな)さんは「一つの記事を載せるのに、多くの人が関わっているのを知って、奥が深いと思った」と話した。(三好正文)=31日付神戸新聞朝刊広域版

 生徒の感想 鳴澤昊(そら)さん「事実の裏付けを十分に取って記事を載せていることが分かった」、海野(うの)快斗さん「朝刊に約200本もの記事が載っていると聞いて驚いた」

suzuranndaikou0927-3.JPG

 企業の経営陣にインタビューし、新聞を作る授業に、神戸市北区の兵庫県立神戸鈴蘭台高校が取り組んでいる。生徒たちは、社長らの経営理念や本音を引き出すのに悪戦苦闘。「聞く力」を培う格好の学習となっている。

 同校は日本新聞協会のNIE実践校指定校。2年生の総合的な学習の時間に、「私たちの街・神戸について記事を書いてみよう」という講座を設け、年間で活動している。

 今回、取材対象に選んだのが、神戸や姫路の会社社長や役員。生徒4~5人のグループでインタビューをし、記事をまとめる。5月初め、兵庫県NIE推進協議会の三好正文事務局長からインタビューの手法やポイントを学び、準備を進めてきた。
 9月27日、会社社長ら6人が学校を訪れた。生徒らは緊張した表情でインタビュー。「どんな高校生活を送っていたのか」「仕事で大切にしていることは何か」など、事前に用意した質問を次々とぶつけた。
 西村屋フーズコムの西村勇人取締役は経営方針を問われ、「客から応援される企業であるために当たり前のことを誠実にやっていく」と答えた。レストランなどを運営するティーエスインターナショナルの生嶋孝司マーケティング&セールスゼネラルマネージャーは、社員研修の意味合いなどを説明していた。
 雰囲気は徐々になごみ、仕事の話だけでなく、自分が進路選択に悩んだ経験や部活動に打ち込んだこと、恋愛談まで飛びだした。
 終了後、社長らからは「楽しかった」「高校生の興味の方向を知ることができた」などの声が上がった。一方で、「シャイな生徒が多かった。高校生なんだからもっと何でも聞いて」と食品卸泉平(いずへい)の泉周作社長がアドバイス。珍味メーカー伍魚福の山中勧社長は「今日出会った高校生たちに神戸で働いてほしい」との願いを語った。
 2年の岸崎泰成さんは「『お客さんや地域の方、従業員とその家族に感謝される会社にしたい』という言葉が心に残った」と話す。勝占(かつら)美穂さんは「今回、いろんな人の話を聞くことで多方面の情報を得ることができた」と振り返った。
 今後、インタビューの内容を新聞にまとめ、来年2月7日には同校内で発表会を開く予定。それに先立ち2月1日に、神戸市中央区のよみうり神戸ホールであるNIE実践発表会(兵庫県NIE推進協議会主催)でも発表する。

田中茂典(兵庫県NIE推進協コーディネーター)(10月28日)

[写真説明]企業の社長らにインタビューする神戸鈴蘭台高校の生徒ら=神戸市北区山田町

NIE公開授業が12月5日、加古川市米田町平津の川西小学校である。NIE(教育に新聞を)活動を進める兵庫県NIE推進協議会の主催で、同校の藤池陽太郎教諭が「新聞の読み比べ・新聞投書欄への投稿」をテーマに行う。

午後1時55分~2時40分。終了後、NIEをテーマにした交流会がある。無料。参加希望者は11月28日までに申し込む。申込書は同協議会のホームページから取り出せる。同協議会☎078・362・7054、ファクス078・362・7424

KawanisiES.jpgPDFファイルを開く

  NIE公開授業が11月27日、淡路市志筑の津名高校である。地域課題の解決策を考え、生徒たちが、地域に発信する取り組み「REBORN PROJECT」をテーマにポスターセッションを行う。

  NIE(教育に新聞を)活動を進める兵庫県NIE推進協議会の主催。無料。午後1時25分~3時15分。中尾誠二・福知山公立大学教授が講評する。終了後、NIEや地域課題解決を考える授業をテーマにした交流会がある。

  参加希望者は11月20日までに申し込む。申込書は同協議会のホームページから取り出せる。同協議会事務局☎078・362・7054、ファクス078・362・7424

TunaHS.jpgPDFファイルを開く

mukonosousougoukou.JPG

 新聞について理解を深めてもらおうと、兵庫県尼崎市の県立武庫荘総合高校で10月16日、朝日新聞阪神支局の西見誠一支局長が「SNSといじめ」をテーマに講演した=写真。

 県NIE推進協議会による新聞記者派遣事業の一環。朝日新聞が2012年に連載して大きな反響を呼んだ「いじめられている君へ いじめている君へ いじめを見ている君へ」などを題材に、いじめの構造や、SNS上で起きやすいトラブルなどについて話した。生徒会長の佐藤光綺(みつき)さん(2年)は「決していじめの傍観者にはならないという決意を新たにしました」と話していた。=18日付朝日新聞朝刊神戸版

 生徒の感想 中村英明(えいめい)さん(2年)「いじめ問題を大きく取り上げた記事を新鮮に感じた。『いじめられたら逃げてもいい』という言葉が心に響いた」