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語り継ぐ大切さ説く 蒼開高で出前授業 「阪神・淡路」の体験語る 

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 阪神・淡路大震災30年をテーマにした出前授業が、洲本市下加茂1の蒼開高校であった。神戸などの被災地を取材した経験を持つ神戸新聞NIE・NIB推進部シニアアドバイザーの三好正文さん(65)が講師を務め=写真、1年生44人が当時の状況などについて学びを深めた。

 三好さんは震災発生時、宿直勤務で神戸・三宮にあった神戸新聞本社にいた。物が散乱する編集局内や全壊した本社の写真を示しながら、自身が見た光景などを生徒に語った。

 また、当時の淡路島について「地元の印刷所にお願いして、独自の淡路版を作って配達していた」などと説明した。

 災害報道については「被害の状況とともに、生活に役立つ情報を届けることが重要だ」と強調。さらに、時を経て初めて経験を話せる人がいることに触れ「継続して伝え、語り継ぐことが大切だ」と伝えた。

 南海トラフ巨大地震の発生などが予測される中、備えにゴールはない。三好さんは「できるだけ後悔がないように、自分や家族、友人の命を守るために何ができるか話し合ってほしい」と生徒らに呼びかけた。

 同校1年の太田基博さん(15)は「自分が知っている場所が話に出てきて、生々しく伝わってきた。震災の授業を受けると家族で話題になる。備えを大切にしたい」と振り返った。(古田真央子)=10月1日付神戸新聞朝刊淡路版

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