コメ問題、少子化などテーマ
高校生と高齢者が、新聞を読んで社会の課題について考える「新聞deコミュニケーション」が、洲本市上物部2の洲本高校であった。米の高騰や少子化などをテーマに、世代を超えて意見を交わした。
NIE(教育に新聞を)の一環で、同校が文化祭に合わせ、今月12日に実施。地元の高齢者グループ「川西みどり会」のメンバー11人を招き、同校の新聞部や社会部などで活動する1~3年生20人が参加した。
「コメの価格高騰」「出生数の低下」「戦後80年」の3点に関連する新聞記事を用意。参加者は記事に目を通した後、自由に経験談や考えを述べ合った。
少子化問題については、高齢者が「昔は子どもが教室に入りきらず、廊下に座るほど多かった」「自分たちの世代から晩婚化や少子化が始まり責任を感じる」と回顧。生徒は「子育てにはお金がかかり、自分のしたいことができなくなりそう」「責任を持って子育てができるか自信がない」などと不安を口にした。
新聞部部長の2年福録厚紀さん(16)は「知らないことをたくさん聞けた。将来のことを考えるきっかけになりそう」と話し、みどり会会長の別府浩章さん(81)は「世代間のギャップはさほど感じなかった。いつも高齢者とばかり一緒にいるので、今日は元気をもらった」と喜んでいた。
この日の取り組みは、7月31日、8月1日に神戸市である「NIE全国大会神戸大会」で、同校の大石昇平教諭(42)が実践発表する。(内田世紀)=6月21日付神戸新聞朝刊淡路版
[写真説明]新聞記事を題材に意見を交わす生徒と高齢者ら=洲本高校