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記事から「まちづくり」考える 西宮・浜脇中 作家小川洋子さん見学

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 教育現場で新聞を活用する「NIE」(教育に新聞を)の授業が1月30日、西宮市の市立浜脇中学校で行われ、芥川賞作家の小川洋子さん(62)が授業を見学した。2年の生徒らは新聞記事を活用し、「住み続けられるまちづくり」などについて考え、解決策や提言を発表した。

  小川さんはまず、2年2組で行われた授業を見学。生徒らは新聞記事の中から気になる記事をピックアップし、記事についての自分の考えや感想をグループ内で話し合った。

 その後、2年生の各クラスをオンラインでつないで行われた授業では、各クラスの代表者が、「住み続けられるまちづくり」をテーマに、環境問題や社会問題などのニュースを取り上げて、問題への解決策や提言を発表した。

 「パナソニックが令和9年9月末までに蛍光灯の全ての生産を終了する」との記事を紹介した生徒は、「LED化の流れを作ることで、住み続けられるまちづくりにつながると思う」と発表。LED照明の普及に向け「補助金制度を増やす」といったアイデアを披露した。

 授業を見学した小川さんは終了後取材に応じ、「自分が生きている世界の広さを実感できる授業だと思った。新聞を読む習慣をつけていけば、見た物や感じたことを言語化する能力にもつながると思う」と話した。=31日付産経新聞朝刊阪神・神戸版、播州版、淡路版、但丹版

[写真説明]生徒の発表に耳を傾ける作家の小川洋子さん(左)=西宮市宮前町

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250130kobeogawasann1.jpg新聞読み、問題討論 生きた教育に感心 作家・小川洋子さん 西宮の中学授業を見学

  NIE(教育に新聞を)活動の意義を考える「第30回NIE全国大会神戸大会」が今夏に神戸市で開かれるのを前に、西宮市在住で芥川賞作家の小川洋子さん(62)が1月30日、同市宮前町の浜脇中学校で、新聞を教材として活用する授業を見学した。生徒自らが選んだ新聞記事を貼って感想を書き込む「NIEノート」の発表風景などを見たほか、記事に関して生徒と話し合う場面もあった。(安福直剛)

  小川さんは7月31日、8月1日開催の同大会初日に記念講演する。NIEの取り組みに熱心な学校の現場を見てもらおうと、大会を主管する神戸新聞社などが依頼して実現した。

  同校では全校生徒が「NIEノート」に取り組んでおり、社会科の授業で発表したり意見交換したりしている。

  この日は、2年生の教室で生徒に交じって小川さんも座り、授業を聞いていた。米国のトランプ大統領就任を踏まえて平和問題を指摘したり、震災などの災害弱者を取り上げた記事を紹介したりする生徒の話を聞き、熱心にメモを取るなどしていた。

  続いて「住み続けられるまちづくりを」のテーマで生徒がアイデアを出し合う授業があった。250130kobeogawasan2.jpg

 「地元西宮でも公共交通の無償化に取り組んではどうか」「雷のエネルギーを電力に変えられないか」といった若い世代の発想を感心した様子で聞いていた。

  NIEの実践現場を初めて見たという小川さんは「新聞が好きで毎日読んでいるが、新聞を本当に読むというのはこうなのかと気付かされた。日々真剣に読むのは難しいかもしれないが、自分の考えを言語化する能力が育まれるのでは」と話していた。

 同校は全国大会の2日目、NIEノートの実践例を公開授業で披露する予定。=31日付神戸新聞朝刊ひょうご総合面

[写真㊤]生徒と一緒にNIEの授業に参加する小川洋子さん(左)=いずれも西宮市立浜脇中学校[写真㊨]NIEの授業について感想を話す小川洋子さん

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記事深掘り 文学と同じ 小川洋子さん 中学生と意見交換

 新聞を教育に活用する「NIE」の授業が1月30日、西宮市立浜脇中学校であった。同市在住で芥川賞作家の小川洋子さん(62)が授業を参観し、記事スクラップを示しながら感想を話す生徒たちと意見を交わした。

  同校は、NIE実践指定校。全校生徒約850人が、気になった記事などを貼り付け、感想を書き込む「NIEノート」をパソコンやノートで作成し、毎週、社会科の授業で発表している。

 7月31日、8月1日に「第30回NIE全国大会」(日本新聞協会主催)が神戸市内で開かれ、小川さんは記念講演する予定。同校も、8月1日に甲南大学で開かれる大会分科会で、授業を公開する。

  この日、2年生の授業では、生徒たちはグループに分かれて、埼玉県八潮市で起きた道路陥没事故や雪の影響による車の立ち往生、阪神大震災の記事などについて感想や意見を述べ、話し合った。

 授業を見守った小川さんは「書かれていることだけで満足せず、書かれていないところまで踏み込む点では文学と同じ。阪神大震災から30年。自然災害について意識が高く、感心した」と生徒に語りかけていた。=31日付読売新聞朝刊兵庫県内各版

[写真説明]生徒が発表する記事の感想を聴く小川さん(右)(西宮市で)

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「世界は広い」実感 小川洋子さん、西宮・浜脇中訪問

 7月に神戸で開かれる「第30回NIE全国大会」(日本新聞協会主催)で基調講演をする予定の芥川賞作家、小川洋子さん(62)が1月30日、西宮市立浜脇中学校を訪れ、教育に新聞を活用する取り組み「NIE(エヌアイイー)」の授業を参観した。

 同校は日本新聞協会のNIE実践指定校。社会科の授業で週1回、生徒たちは気になった新聞記事を切り抜き、スクラップしたノートをもとに意見交換している。

 小川さんが参観した2年生の授業では、5~6人の班に分かれて自分が選んだ記事を紹介しあった。トランプ米大統領の就任やフジテレビ問題など関心は多岐にわたり、小川さんも生徒たちの発言に耳を傾けた。

 自身も毎朝新聞を読み、新聞記事から作品のインスピレーションを得ることもあるという小川さん。興味をもったテーマを自分事として考え抜く生徒たちの姿に、「(新聞を)読むとは、本当はこういうことかと感心した。自分が生きている世界は広いと実感させてくれる授業だと思いました」と感想を述べた。

 NIE全国大会は7月31日と8月1日、神戸市内で開催される。(宮坂奈津)=31日付朝日新聞朝刊神戸版、阪神版

[写真説明] 生徒たちの授業を参観する小説家の小川洋子さん(左から2人目)=西宮市

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