記者派遣

震災の教訓 バトンつないで 西宮・浜脇中でNIE授業

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 教育現場において新聞を活用する「NIE」活動の一環として、西宮市宮前町の市立浜脇中学校で2月26日、神戸新聞NIE・NIB推進部の三好正文シニアアドバイザーと産経新聞大阪本社編集局の岸本佳子夕刊編集長が、「阪神淡路大震災年」をテーマに授業を行い、参加した2年生約250人が聞き入った。

 三好アドバイザーは、平成7年1月17日に起きた大地震に関し、当時の新聞をスクリーンに映し出して状況を説明した。当日は全壊した神戸新聞本社で勤務中。自身も危険にさらされた経験談を交え、「後世の人が次の災害に備えられるよう、震災の記憶、教訓のバトンをつないでいってほしい」と呼びかけた。

 岸本編集長は昨年の元日に起きた能登半島地震に触れ、「避難所の惨状が30年前とあまり変わっていないことに愕然(がくせん)とした」と阪神淡路大震災の教訓が生かされていない点を指摘。「神戸などで起きたことを報道し続け、各地で起こる災害に生かせるようにすることが重要」と強調した。

 授業を受けた金子まゆさん(14)は「貴重なお話ばかりで『南海トラフ(巨大地震)』など、これから起こる大きな地震に備えなければいけないと思った」と振り返った。=27日付産経新聞朝刊阪神・神戸、播州、淡路、但丹版

[写真説明]「阪神淡路大震災30年」をテーマに授業を行う岸本佳子夕刊編集長(左)と三好正文シニアアドバイザー=西宮市立浜脇中学校

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次世代へ記憶のバトンを 震災テーマ神戸新聞社員ら授業 西宮・浜脇中

 阪神・淡路大震災30年をテーマにした出前授業が、西宮市宮前町の浜脇中学校であり、2年生248人が参加した。同校は日本新聞協会のNIE実践指定校。当時、神戸などの被災地を取材した神戸新聞NIE・NIB推進部の三好正文シニアアドバイザーと産経新聞大阪本社編集局の岸本佳子夕刊編集長が講師を務めた。

 三好アドバイザーは大震災当日、神戸・三宮にあった神戸新聞本社で宿直勤務だった。震度7の瞬間や被災地の惨状を説明し、「能登半島地震と阪神・淡路の光景が重なった。若い世代に記憶と教訓のバトンをつないでほしい」「多くの人命が助かったケースはよく『○○の奇跡』といわれるが、そこには伏線がある。日頃から共助を大切にしたい」と話した。

 岸本編集長は、被災者であふれる避難所や公衆電話に並ぶ人たちなど当時の写真を紹介。「震災で日常が一変した被災者の思いを届けなければ、と取材を続けた」と振り返った。震災報道を続ける意味として「昨年元日の能登半島地震など、各地で災害が発生している。防災に関する新たな課題や阪神・淡路の教訓を伝えたい」と力を込めた。

 金子まゆさん(14)は「西宮市内で倒壊したビルなど、震災の写真が目に焼き付いた。防災の意識を高め、南海トラフ巨大地震など次の災害に備えたい」と話した。=3月5日付神戸新聞朝刊阪神版

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