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迫る地震災害に備えよう 神戸・糀台小で震災授業

 「阪神・淡路大震災30年」をテーマにした出前授業が12月19日、西神ニュータウンにある神戸市立糀台小学校(同市西区糀台3)であり、5年生約60人が参加した。神戸新聞NIE・NIB推進部の三好正文シニアアドバイザー(65)が講師を務め、「日頃の備えや共助が、次の災害時に多くの命を救うことにつながる」と語った。

 阪神・淡路では6434人が亡くなった。三好アドバイザーは30年前の被災地での取材体験を語りながら、「いまは南海トラフ巨大地震などの災害前」と強調。「大きな災害時、多くの住民らが無事避難できたことが『○○の奇跡』といわれたりするが、そこには地域力の強さなどの伏線がある」と話した。

 「地震で身近な人を突然失った悲しみは計り知れない。そばにいることが当たり前になっている人を大切にしよう」と呼びかけた。

 震災被災者が暮らした仮設住宅での孤独死についても触れた。当時、西神ニュータウンの外れにあり、ピーク時1800人が暮らした西神第七仮設住宅は被災地で最大規模だった。入居者の見守り体制はできたが、ここでも孤独死を防ぎきれなかった。

 三好アドバイザーは阪神・淡路以前、神戸の集合住宅での孤独死を記事にしたことがある。「震災により問題が表面化した。孤独な生をどう見守るか、地域活動をどう充実させるか、超高齢社会の中、産官学による取り組みをいっそう進めたい」と力を込めた。

[写真説明]震災被災者が暮らした仮設住宅の話も取り上げた(写真は授業で使用したスライド) スライド.pdf

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