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新聞記事から始まる「探究的な学び」 芦屋・甲南高で出前授業

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 新聞から気になる記事を選んで「問い」を立て、探究的な学びを進めるノウハウを学ぶ出前授業が9月17日、芦屋市山手の甲南高校であり、フロントランナーコースの2年生71人が参加した。

 神戸新聞NIE・NIB推進部の三好正文シニアアドバイザーが講師を務めた。授業では「戦争」をテーマに探究学習をどう進めるかを考えた。ロシアによるウクライナ侵攻が始まって3年半がたつ。高校生に今、最も考えてほしいテーマの一つだ。

 まず、「問い」を立てる。生徒からは「なぜ、戦争は起こるのか」などが問いとして挙がり、戦争が起こる理由として、宗教問題▽価値観の違い▽民族差別―などの意見が出た。

 三好アドバイザーはウクライナ危機に至るまでの半世紀の出来事を列挙しながら「歴史は韻を踏む。各国のリーダーに歴史的想像力をもってほしい」と話した。

 探究学習の方法としては、先の大戦に思いをはせ、修学旅行などでヒロシマやナガサキ、沖縄、そして空爆に遭った兵庫各地を訪れ、当時の資料や証言を集めたり、戦争遺跡を調べたりする。

 ウクライナからの避難民は今、日本に何人いるか。国際情勢やそれに伴う国連などの動きに関心を寄せる。その上で「平和な社会の実現に向け、具体的に何ができるかを考えよう」と呼びかけた。

 新聞の読み方についても説明。「有事には世界各国のニュースを比べ、信頼できる情報を選ぶことが大切」と強調した。

[写真説明]「戦争」をテーマにした探究的な学びについて考えた出前授業=甲南高校