ファッション都市 神戸からドレス作品を発信 新聞女」西沢さん NIE神戸大会
2025年08月04日
NIE全国大会神戸大会の初日会場では、「新聞女」の異名を持って国内外で活躍する西宮市出身のアーティスト西沢みゆきさん(57)=大阪市大正区=が、新聞紙で作ったドレスを展示して注目を集めた。
「新聞ドレス」は会場入り口に飾られた。カラーの紙面を手作業で切り貼りして赤や青、緑色のデザインをあしらい、欧州の宮廷ドレス風に仕立てた。使ったのは、全国の新聞社が発行した今年1月1日の紙面だ。
西沢さんは美大を経てアパレル会社のデザイナーをしていた27歳の時、阪神・淡路大震災が起きた。家族は無事だったが、多くの人の死を目の当たりにして「人生はいつどうなるか分からない」と感じた。32歳で、夢だった芸術家の道を歩み始めた。大学時代に指導を受けた前衛美術家、故・嶋本昭三氏の活動を手伝う傍ら、2001年に福井県であった美術大会に出品したことが転機に。
「自分にしか作れないものを作りなさい」。恩師のそんな言葉で浮かんだのが、幼い頃から好きだった新聞工作だった。新聞ドレスはたちまち話題になる。海外の有名美術館やアートイベントから出品、出演依頼が相次ぎ「新聞女」の異名が広まった。
今回の作品を「全国の元日紙面を使い、日本中がつながったよう」と話す。来場者らとの交流会では、西沢さんが実際に着て場をどよめかせ「新聞ドレスで世界中の人に喜びや笑顔を届けたい」と笑顔で語った。
[写真説明]新聞紙で作ったドレスを着て、交流会に登場する西沢みゆきさん=7月31日夕、神戸市中央区港島中町6、神戸ポートピアホテル(撮影・斎藤雅志)