情報社会を考える 神戸女子大学で「現代政治学の基礎」講座
神戸女子大学で文学部国際教養学科と史学科合同の「現代政治学の基礎」講座が7月2日開かれ、神戸新聞社経営企画局の冨居雅人局次長(NIE・NIB推進部長、教育ICT部長)が「メディアリテラシーを考える-多様な視点・視座の醸成を目指して-」と題して情報社会の課題を解説した。
冨居局次長は昨年秋の兵庫県知事選に触れながら、インターネット、SNSが隆盛を誇る中、AI(人工知能尾)やアルゴリズムによって自身の情報環境を確認しながら確かな情報に接することが難しく、「情報の偏食」が起こりやすい状況を解説。そんな中で、自身の関心の外側にある情報と接する意識を常に持ち続けることの大切さを説いた。
また、「世界の中の日本」「地球を俯瞰する視点」についても語り、阪神・淡路大震災30年、インターネット本格化30年、戦後80年、「昭和」100年-という節目を迎える中、コロナ禍で激変した社会を生き抜いていくには、これまで「あたりまえ」などと思い込んでいる「常識」をリセットして、令和時代の生き方を考えてと呼びかけた。
*****講義の感想から*****
◆私たちが生きている時代はSNSの情報まみれ。講義を聴いて「正しい情報」とは一体何なのだろうか?とすべての情報に対して疑心暗鬼になった。しかし、不安にならなくても様々なニュースを目に通して知見を深めていければ適切に向き合えることが分かった。新聞を読む習慣はなかったが、学校に行く前に朝5分だけでも『その日になのが起こったのか?』、『国際社会はどのように動いているのか?』を頭に入れようと思った。
◆ネットには嘘も真実も書いてあって私はFactよりFakeの情報を気づかずに取り込んでいるなと強く感じた。今までは自分の関心を新聞記事で読もうとする機会が少なかった。新聞を読むというのはたくさんある情報の中から不確かではない情報を取り込むのに最適な手段・方法であると思った。
◆「情報の解像度」の話で、普段「~だと思う」「・・・知らないけど、多分」など話してしまっている。言い切ることは難しく感じる。しかし、実際には言い切ることで物事について考える責任、自信などを持ち、世の中の事柄に今以上に興味を持つことができるに違いない。今回の講義を通して、積極的に新聞を隅々まで読んでみようと思った。
◆講義を通して、普段目にしている情報の中で「正しいかどうか」を見極めるメディアリテラシーの大切さを改めて実感した。特に、SNSでは信じてはいけないような誤った情報が多く流れているように感じる事実がどうかを意識して判断する習慣を身につけていきたい。また、新聞を読むことで得られる読解力や表現力、時事への関心も、これからの社会で生きていくために欠かせない力だと感じた。自分の関心事だけでなく、世界の出来事にも目を向け、それを自分事として捉える視点を養っていきたいなと思う。コロナ禍で常識が変わった今だからこそ、思い込みや偏見にとらわれずに物事を考える柔軟さが必要だと感じた。今後は、意識的に様々な情報に触れ、自分の視野を広げていきたい。今回の講義で学んだことを日々の生活に取り入れ、より深く物事を考える習慣を身につけていきたい。
◆「オールドメディアとSNSの対立ではなく、どちらも正しく使うことが大切」と話されていたのが心に残っている。一方的な情報だけに頼らず、自分の頭で考えて選び取ることが、これからの時代には必要だと強く感じた。「思い込み」や「前例」にとらわれず、自分で考えて判断することの大切さは、これからの社会で特に必要な力だと感じた。新聞を読むことはその第一歩になると思う。今まではあまり新聞を読む習慣がなかったが、少しずつでも読むようにしたい。今回の講義で、ただ情報を受け取るだけでなく、「どう考えるか」がとても大切だということがわかった。新聞は今後、私の視野を広げてくれる大事な道具になると思う。これからも学ぶ姿勢を忘れずに、日々のニュースに向き合っていきたい。
◆単に情報の受け取り方だけでなく、自分の立ち位置や考え方そのものを見直すきっかけをいただいた。社会の流れを知り、自分の言葉で考え、自分の行動に責任を持つ。それは決して簡単なことではない。しかし、だからこそ一つひとつのニュースに丁寧に向き合い、感じ、考える習慣をこれから大切にしていきたいと強く思った。
◆何気なく使っている言葉でも、聞き手に不安を与えたり混乱させたりすることがあると気づいた。今回の講義を通して、日々の生活の中で当たり前に思っていたことを改めて見直す機会になった。地域や災害、言葉遣い、地域のことなどどれも自分にかかわるテーマだと感じました。今後は普段のニュースや出来事にもっと関心を持って、自分の生活にも活かしていきたい。
◆自分はこの授業を通して最近のニュースについて意識してみるようになったが、(授業で取り組んだ時事問題では)過去の事例の年代や具体的な人の数、政策を全然知らないことが分かった。自分が普段から関心を持っていない証拠だと感じた。これからはもっと自分の地元、住んでいるところ、身近な政治から積極的に参加していきたい。住民票を移していなくても離れたところから選挙に投票できる制度がそうなのでやってみたいと思う。また、少子化の影響がどんどん前倒しになってきているという言葉が印象に残っている。今後何年後かの予想はすでにひしひしと速いスピードで迫ってきている恐怖感のようなものを感じた。大災害への対応や少子高齢化の深刻化など、政府の政策が重要視されていると思うが、その政治家を誰にするかは私たちにも決定権があるので、やはり日ごろから選挙やどの党がどんな政策に力をいれているのか、100%自分の理想の未来を提案している政治家はいないと思うが、消去法でもいいと思うので投票しに行くことが大切だと思った。
◆メディアリテラシーという言葉は聞いたことがあったが、実際にはあまり理解が出来ていなかったのかなと思った。新聞だけではなく、様々な情報を見ていかなければならないと思った。メディアリテラシーは情報社会の現代で生き抜くための方法であると思う。講義で示されたように、答えは自分で見つけていかなければならないものだと思う。私はあまり世の中について見ていなかったことも分かったので、これからはニュースをみるようにしていきたい。様々な媒体でニュースをみていきたい。
◆時事問題で感じたことだが、規模を知るということは重要であるということが分かった。規模をみることによってその地震の大きさについて知ることが出来、今後どのように考えていかなければならないかの礎になると思いました。私たちにとってこの世の中は想定できないことがたくさん起こっている。講師が述べられたようにニュースなどの情報に触れて想定外のことでも元々あったものだけではなく自分たちのオリジナルな方法をつかうことが重要なことであるということがわかった。私はオリジナルな方法をみつけられる力を養っていきたいと思う。今回の講義は自分が現代社会を生き抜くための方法や考え方を知れる貴重な時間になった。
◆時事関心度チェックでは、自分の苦手な分野を知ることができた。私は、人の名前については強いが、数字に弱かった。神戸市についての問題が、ほぼ全滅となってしまい、神戸出身の身としては不甲斐なく感じた。「情報の解像度を上げる」という話も考えさせられた。普段の会話の中で「~だと思う」や「たぶん~だ」「~的」という言葉をよく使っていたので、あいまいな表現はできるだけ避けるように意識したい。
◆フェイクかファクト、正しいといわれる情報はないのかもしれないが、ネットが手軽に使える時代だからこそ、見ず知らずの人の言葉をうのみにしすぎず、自分で正しいと判断できるようになりたい。
◆自分で何かを考えずに説明に頼るのは楽かもしれないが、それは考えを止めてしまうことになる。自分から状況背景について考えることは必要なのではないかと考えた。連想的読解力を身に着けるためには、沢山の知識や情報に触れていることが重要になると考えたので、日頃から新聞やニュースなどから情報を得ていくことを大切にしたい。
◆講義を聞いて、改めて新聞の大切さを知った。自宅では、全国紙と地方紙をとっているが、祖父母が読むだけで私は読むことはない。祖父母にもよく「スマホばかり見ずに新聞を読みなさい」といわれる。講義を聞いて、確かに私たち世代はSNSばかり見て、ニュースもあまり見ていない世代だなと思った。SNSばかり見て虚偽のものを信じたり、真実ではないかもしれないのに誹謗中傷したり-など、いわれてみるとたくさんあると思った。授業でおこなった時事関心度チェックでは、歴史関連や野球関連など自分自身が関心を持っているものしか分からなかった。ニュース番組でよく聞く言葉や、今話題になっているニュースなどはある程度理解していたが、自分自身が興味、関心のあるものしか記憶していないことが分かった。これからは、ニュース番組を見て、新聞も読みつつ自分の興味に関係なしに世の中の政治や経済など知っていくことが大切なことなんだと改めて思った。
◆私は、この現代政治学の基礎を受講するようになって、日常生活の中に新聞と向き合う時間を取り入れるようになった。けれど、課題のために読むという意識が強く、どうやって情報と向き合うべきなのかを理解してなかった。だから、今回冨居氏の講義を受けて、これからの情報社会をどう生きていくべきかが具体的に理解できた。とくに、自分の中で響いたのは、「正しい情報」ではなく「確かな情報」を使わなければならない、ということである。