タイパ化する世の中 /倍速視聴から見える Z世代の消費傾向」
コラムニスト・編集者
稲田 豊史 氏
神戸新聞情報文化懇話会の6月例会が、中央区港島中町6の神戸ポートピアホテルでありました。ライターで編集者の稲田豊史さんが「タイパ化する世の中/倍速視聴から見えるZ世代の消費傾向」をテーマに講演しました。
稲田さんは、10~20代のいわゆる「Z世代」の特徴として、タイムパフォーマンス(時間対効果)の優先を挙げました。ドラマや映画を視聴する際に、倍速にしたり、セリフのないシーンをスキップしたりします。
作品をじっくり味わう前に、ネットの評価や口コミで「正解」を知ろうとする傾向も指摘しました。スマートフォンでいち早く情報を得ようとする意識が高く、一方で日本を「失敗に厳しい社会」と捉え、自分の意見を表明しづらいと感じている―との見方です。
そんな彼らは「巨大な市場を新たに生み出す」存在でもあると稲田さんは考えます。TikTok(ティックトック)やハロウィーンが幅広い世代に親しまれるようになったのは、Z世代の情報拡散力がきっかけだったといいました。
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