興味持ち、調べるきっかけに 「18歳になったら必ず行く」
10月27日に投開票された衆院選に合わせ、西宮市立浜脇中学校(同市宮前町3)の3年生が兵庫7区(西宮市南部、芦屋市)の模擬投票を行った。生徒たちは1票の重みを実感し、「私たちの意見を届けるためにも、若者が積極的に参加すべき」とかみしめていた。(三好正文、土井秀人)
同校と兵庫県NIE推進協議会が企画した。日本では2016年参院選から18 歳選挙権が適用されたが、10代の投票率の低さが課題となっている。
国政選挙に合わせた、本物に近い「学校選挙」はスウェーデンなどで行われている。同校は日本新聞協会のNIE実践指定校。新聞の選挙報道に触れ、18歳になる前に主権者意識を高めてもらおうと模擬投票を行った。
衆院選は10月15日に公示され、兵庫7区は5人が立候補。前回と同じ自民党、立憲民主党、日本維新の会の構図に共産党と参政党が加わった。
生徒たちはまず、同協議会事務局による主権者教育の授業で、「投票することが、政治に自らの意見を反映させる近道」と学んだ。さらに、選挙シミュレーションゲームで1票の価値を体感したり、どの政治課題に関心があるかを話し合ったりした。
事務局では、各新聞社の選挙報道を読むように勧め、自分の考えと近い政党が分かる、共同通信社などのサイト「ボートマッチ」の利用も呼びかけた。
3年生は選挙期間中、同校が製作した投票箱に「1票」を投じた。11月1日に開票され、283人のうち投票したのは240人で、投票率は84・81%だった。実際の7区は57・10%だった。全国は53・85%と戦後3番目に低く、10代はさらに低い43・06%(速報値)にとどまった。
各クラスでは結果を受けて授業が行われた。実際の選挙では自民前職が当選し、維新前職、立民新人が比例復活したが、模擬投票では維新▽自民▽立民▽共産▽参政―の順だった。生徒たちは「教育無償化」「裏金問題」「世界平和」などを基準に選んだといい、「授業以外で自分で調べるきっかけになった」「家で話すことで家族にも興味を持ってもらえた」と振り返っていた。
3年の宮垣璃子さん(14)は「選挙に興味はなかったけど、調べてみると面白い。18歳になったら未来を託せる候補者を見つけ、必ず投票に行く」。担当した野上耕佑教諭(29)は「生徒たちは自分の1票をどこに投じるのか真剣に考え、実際の結果と比較して考察することもできた。今後につなげ、選挙で自分の意思を反映してほしい」と話していた。=11月8日付神戸新聞朝刊阪神版
[写真㊤]衆院選の模擬投票結果を受けて感想を述べ合う生徒ら=いずれも浜脇中学校[写真㊦]主権者教育の出前授業で関心のある政治課題について意見交換する生徒たち
※「わたしの感想NIE」に生徒のみなさんの感想を掲載しています。
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