■山崎高校(11月6日、対象・1年生約180人) 神戸新聞宍粟・佐用支局長の村上晃宏記者が講師を務めた。生徒たちは新聞記事を基に、宍粟市の現状や課題を学習。村上記者は「通学路の危険性や勉強場所の確保など、身近な所に課題を見つけるヒントがある」と説明。インタビューの留意点も伝えた。
2024年11月アーカイブ
神戸新聞支局長が講師に
新聞記者からインタビュー術などを学ぶ授業が、宍粟市山崎町加生(かしょう)の山崎高校であった。神戸新聞社宍粟・佐用支局の村上晃宏記者(35)が講師を務め、同校1年生約180人が地元の課題の見つけ方やインタビューの際に注意する点などを学んだ。
同校は、教育現場で新聞を活用する日本新聞協会のNIE実践指定校。1年生は授業の一環で、グループごとに宍粟市の課題を探し、探究を進めている。
生徒たちは新聞記事を基に、宍粟の現状や課題を学習。村上記者から通学路の危険性や勉強場所の確保など「身近な所に課題を見つけるヒントがある」と聞くと、真剣な表情でメモを取っていた。インタビュー術を学ぶ場面では、具体的なエピソードを聞くことや知ったかぶりを禁止することなど、心がけるべき点が紹介された。
「防災」をテーマに探究を進めるという西川くるみさん(16)は「インタビューの際に『なぜ』を大切にする重要性が分かった。課題の深掘りにも活用していきたい」と話した。=11月20日付神戸新聞朝刊西播版
[写真説明]宍粟市の課題や記者の仕事について話す村上晃宏記者=宍粟市山崎町加生、山崎高校
※「わたしの感想NIE」に生徒のみなさんの感想を掲載しています。
■姫路市立豊富小中学校(11月11日、対象・5年生約80人) 読売新聞姫路支局の田村創記者が講師を務めた。米大統領選の結果を伝える朝刊を手に、新聞の紙面構成や読み方を説明。「新聞は多くの人の手を経て出来上がっている。新聞からさまざまな知識を得て、生き抜く力にしてほしい」と呼びかけた。
新聞を活用した教育に取り組む「NIE」の授業が11月11日、姫路市の市立豊富小中学校であり、読売新聞姫路支局の田村創記者(62)が5年生約80人に、新聞の読み方や新聞記者の仕事などについて講演した。
田村記者は、米大統領選の結果を伝える紙面を手に「1面には読者に伝えたい重要なニュースが載っている」などと話した。見出しや記事の大きさなどでメリハリを付け、ニュースを伝えていることを説明した。
「質の高い正確な情報を届けるため」、ペン記者やカメラマンら多くの人の手を経て作られていると教えた上で、「新聞から色々な知識を得て生き抜く力にしてください」とアドバイス。小口伽羅さん(11)は「教わったことを生かし、家でじっくりと時間をかけて読んでみる」と話していた。=12日付読売新聞朝刊播磨姫路版
[写真説明]記者の仕事や新聞について説明する田村記者(左、姫路市で)
※「わたしの感想NIE」に児童のみなさんの感想を掲載しています。
■神戸市立高倉中学校(11月7日、21日、対象・2年生132人) 神戸新聞NIE・NIB推進部の三好正文シニアアドバイザーが講師を務めた。「トライやる・ウィーク」の体験を校内発表する生徒たちに事前に取材の仕方を、体験後は発表資料のまとめ方を説明し生徒たちは5日間を体験を振り返った。
日本経済新聞社神戸支社の岩本隆支局長は11月14日、兵庫県NIE推進協議会の記者派遣事業で、県立西宮高校の2年生に「情報の収集方法と分析について」をテーマに講演した=写真。約270人が参加し、熱心に耳を傾けた。
冒頭で新聞記者の仕事を説明したうえで、記者のリサーチ方法を説明。新聞、雑誌、インターネットなどから幅広く情報を集めることを紹介し、特に多彩な情報に触れられる新聞はニュース、社会ネタへの感度を高められることを伝えた。
生徒が取り組み始めた課題研究では、企業や自治体など社会で実践されている取り組みがヒントになると説明。分析には「データがあると説得力が増す」とし、できれば信頼できる公的なデータを使ったほうがいいと話した。
その後「『わかりやすい』日本語講座」と題して、わかりやすい文章を書くコツを紹介。1段落や1つの文章が長くなりすぎないようにすることを解説したほか、逆接ではない「が」の使い方や「ら」抜き言葉などに注意するよう説明した。
参加した安部穂乃花さんは「岩本さんが書かれた記事の見出しを見て、記事の内容がとてもよくわかった。課題研究のポスター発表で参考にしたい」。前村江美さんは「わかりやすい日本語講座で、言葉を使うときの注意点を改めて聞くことができた。早速普段の生活で実践したい」と話した。
神戸新聞アドバイザーが講師に
調べ学習したことを新聞にまとめようーと、7月11日、神戸市東灘区住吉山手5の神戸大学付属中学校で出前授業があり、2年生12人が参加した。同校は日本新聞協会のNIE実践指定校。神戸新聞NIE・NIB推進部の三好正文シニアアドバイザーが講師を務めた。
生徒たちは各自テーマを決め、アンケート調査や比較実験も含めて調べ学習を行ってきた。
テーマは、交流サイト(SNS)の使用時間を抑えたい▽この夏人気の日焼け止め▽わが家の犬が喜ぶ食事▽大量発生するカメムシ・アブラムシ対策▽おいしいカップケーキを食べたい▽ガムテープをうまくはがす方法▽炭酸飲料の炭酸が抜けにくくなる裏技▽部屋の風通しをよくするには―など多岐にわたる。
整理整頓できるようになりたい、眠い日々、心地よく目覚めるアラームがほしい―。切実な思いから選んだテーマもあった。
授業では、生徒たちが書きたいことを40字以内にまとめ、トップ記事の見出しも考えた。三好アドバイザーは「調べたことをQ&Aにしたり、独自の視点から分析記事を書いたりするなど、伝わりやすく、より深い内容の紙面にしよう」と呼びかけた。
今後、生徒たちはA4判の用紙に記事を書き、見出しを付け、写真やイラストを添えて紙面づくりを進める。
[写真説明]記事の書き方を学ぶ生徒たち=神戸市東灘区住吉山手5
11月21日にも同校で、同様の出前授業があり、7月とは別の2年生12人が参加した。三好アドバイザーが講師を務めた
今回もテーマは、ペットの犬に与えるお菓子をすべて野菜で作られたものしたらどうか▽ホエー(ヨーグルトの上澄み)の量はどうしたら変わるのか▽妹が嫌いな食べ物(特に野菜)をどう調理すれば食べてもらえるか▽食品の包装方法で摂取量が変化するかーなど多岐にわたった。
三好アドバイザーは、比較実験などに取り組んでいることを評価。調べ学習にあたって、どんなテーマでも、その事象に疑問をもち、情報の価値を判断する「批判的思考力」が必要▽統計や写真は強い説得力をもつ▽見出しは「問い」ではなく「答え」を書くーなどをポイントとして挙げた。
紙面レイアウトでは、メリハリとバランスを考え、トップと真ん中を目立たせることを勧めた。
このほかのテーマは、シマトネリコの葉は、枝から切り取ってどのくらいまで光合成できるのか▽野菜を細かく切ったり、水分を抜いたりすれば、苦手な野菜を食べることができるのか▽1カ月間と1週間を比較し、短期間で腹筋を割ることができるか調べる▽代用品でどのくらいおいしいクッキーが作れるか―など
[写真説明]記事にしたいことを40字以内で要約する生徒たち
※「わたしの感想NIE」に生徒のみなさんの感想を掲載しています。
参加者それぞれが興味を持った新聞記事を切り抜き、意見交換しながら壁新聞を作る「まわしよみ新聞」の研修会が11月22日、姫路市内であり、市立小中高校の学校司書59人が参加した。兵庫県NIE推進協議会の三好正文事務局長が講師を務めた。
まわしよみ新聞は社会実験者の陸奥賢(さとし)さんが考案、新聞を使ったワークショップの中でも人気が高く、同推進協議会でも長年、出前授業や教員向け研修に取り入れてきた。
研修会は学校図書館でNIE(教育に新聞を)活動に取り組んでほしいーと市教委が開いた。
参加者は3~4人ずつのグループに分かれ、日刊紙やこども新聞、英字新聞、神戸新聞写真ニュースなどの記事を切り抜き、全体のレイアウトを考えながら模造紙に貼り付けていった。新聞名も考えた。
ほっこりする記事を集めた「よせなべ新聞」、米大リーグの大谷翔平ら、今年活躍した人物の記事を集めた「MVP(めちゃめちゃブイブイいわせたパーソンズ)新聞」、未来を見通した記事が並ぶ「みとおし新聞」、未来に残したい話題を集めた「のこしたいもの新聞」ー。バラエティーに富んだ紙面が並んだ。
今月13日死去した詩人の谷川俊太郎さんの記事が目立ったのは、司書ならでは。クイズコーナーも設けたグループもあった。いまの季節に合わせ、色紙をモミジや寄せ鍋の形に切って貼り付けたり、植物や人気タレントを立体的に見せたりするなどデザインも競った。
三好事務局長は、まわしよみ新聞の優れた点として、一覧性や網羅性のある新聞をめくることで自分の世界が広がる▽参加者同士が語り合うことで他者への理解が深まる▽さまざまな新聞を読み比べることでメディアリテラシーが養われるーなどを挙げた。「学校でも取り組んでほしい」と呼びかけた。
[写真㊤]まわしよみ新聞を作る参加者=いずれも姫路市北条口3、市総合教育センター
[写真㊦]出来上がった新聞を紹介する参加者と、完成したまわしよみ新聞の一例
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神戸新聞アドバイザーが講師に
神戸市立高倉中学校(同市須磨区高倉台1)の2年生132人は就業体験「トライやる・ウィーク」の一環として、11月11~15日、市内各事業所で働いた体験をまとめて12月に校内発表する。11月7日、同校で就業先で何を、どう取材したらいいかを学ぶ授業があった。
講師を務めた、神戸新聞NIE・NIB推進部の三好正文シニアアドバイザーは「働くことの楽しさのほか、やりがいや大変さ、工夫したこともメモしよう」「その仕事の魅力を自分の言葉で表してみよう」と呼びかけた。
生徒たちは幼稚園や小学校、ホテル、スーパー・コンビニ、飲食店、動物病院、美容院、工場など51カ所で働く予定。授業では「それぞれの事業所で何を体験したいか」を話し合った。
三好アドバイザーは、働いている人たちに話を聞くとき、具体的に聞く▽職場のにおいや音、雰囲気もメモするーなどもポイントとして挙げた。「より具体的に書くと、記事の正確さがアップし、においや音などディテール(細かいところ)を書くと、豊かな文章になる」と説明した。
生徒たちは次回11月21日、三好アドバイザーから記事の書き方や発表資料のまとめ方を学ぶ。
[写真説明]「トライやる」で取り組みたいことを話し合う生徒たち=高倉中学校
11月21日は三好アドバイザーが発表資料のまとめ方を説明した。
まず、生徒たちは「『トライやる』の体験で一番印象に残ったことは何か」を話し合い、それぞれ30字以内にまとめた。生徒たちは「幼稚園児と泥団子を作ったのが楽しかった」「ホットドッグ店のお客さまとのコミュニケーションの取り方に感心した」などと5日間を振り返った。
各事業所の仕事内容や「働いた後の気持ち」を発表する時間もあった。三好アドバイザーは「トライやるの体験を夢を見つけるきっかけにしよう」と呼びかけた。
[写真説明]イチオシの体験を30字以内にまとめる生徒たち=高倉中学校
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甲南小学校(神戸市東灘区)は2024年度から日本新聞協会のNIE実践校に指定された。今回、3年生が新聞を使ったオリンピック「シンブリンピック」を企画し、同じキャンパスにある甲南幼稚園の年長さくら組と一緒に活動した。
3年生はこれまで、授業で新聞記事を切り取って見出しを考えたり、7月、養父市の鉢伏高原で行った宿泊体験の思い出を新聞にまとめたり、興味のある記事を切り取り紹介する「シンブリオバトル」を行ったりして、新聞に親しんできた。
シンブリンピックは、選手宣誓や新聞聖火の点灯、新聞記事に載っていそうな人物をあてるクイズなどを通し、幼稚園の年長児がより新聞を身近に感じられるように心がけた。
新聞は読むだけではない。「折ったり丸めたりして楽しむこともNIEの学び」として、「幼稚園のお友だちにも新聞の楽しさを伝えたい!」との思いで、3年生全員でアイデアを出し合い、種目や使う道具を考えた。例えば、新聞を裂いて作ったポンポンは、ダンスや応援、しっぽ取り競技の「しっぽんぽん」に使った。
10月22日、シンブリンピック開会。新聞リレーでは、新聞紙を手に持たず、胸に当てて走った。走るだけで新聞紙が落ちないことを楽しみながら新聞紙をバトン代わりに、リレーを楽しんだ。玉入れでは、各自が新聞紙で作った、形や大きさもばらばらの玉を使った。
兵庫県NIE推進協議会の三好正文事務局長からは、震災時などに役立つ新聞紙スリッパの作り方を教わった。子どもたちは、新聞紙1枚から簡単にスリッパが作れることに驚き、3年生が、積極的に年長児をサポートする姿も見られた。自宅でも保護者と一緒に作ったり、話したりすることで、子どもたち自身、そして家庭の防災意識も高めていけるといいと考えている。
今回は3年生自らプログラムを考えて取り組んだが、当日も年長児に教えるにあたり、いろいろ工夫する姿も見られ、子どもたちの成長を感じることができた。
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甲南幼稚園の園児たちも「シンブリンピック」までに聖火や玉入れの玉を作って当日を楽しみに待った。製作している間、新聞のインクのにおいをかいでみたり、紙面のイラストや写真を見て興味を示したりしながら新聞に触れてきた。丸めたり、巻いたり、形を自由自在に変えながら製作し、新聞紙を使った遊びの幅の広さを感じられた。
当日は、何をして遊べるのか、朝からわくわくしている様子だった。3年生のお兄さんお姉さんに教えてもらいながら、ゲームやダンスを楽しんだ。
子どもたちは「お姉さんにスリッパの作り方を教えてもらえてうれしかった」「ポンポンでダンスをしたのが楽しかった」「玉入れが難しかったし負けて悔しかったけど、楽しかった」「リレーをまたやりたい」と楽しかった気持ちを伝えてくれた。
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幼稚園と小学校が連携したNIE活動は続く。今後、一緒に新聞をめくりながら、季節を感じられる記事や写真を見つけるなど、新聞の中身に触れる活動も行っていきたい。
「シンブリンピック」などの取り組みについては、来年夏のNIE全国大会神戸大会で実践発表を行う予定だ。
宮尾 友季子(甲南小学校教諭)、山田 陽加(甲南幼稚園教諭)(11月20日)
[写真説明]新聞紙で作ったポンポンで振ってダンスを楽しむ子どもたち=甲南小学校・甲南幼稚園
神戸新聞アドバイザーが講師に
発生から30年を迎えるのを前に、阪神・淡路大震災を学ぶ授業が11月15日、神戸市北区大脇台の神戸甲北高校であり、3年生16人が参加した。同校は日本新聞協会のNIE実践指定校。神戸新聞NIE・NIB推進部の三好正文シニアアドバイザーが講師を務めた。
神戸を研究するプログラムの一環として、神戸市職員から市の防災体制を学んだのに続いて、震災当時、同市役所担当だった三好アドバイザーから話を聞いた。
三好アドバイザーは当時書いた記事や発生直後のまちの惨状を紹介。「復興まちづくりを進めようとする市と、家族を亡くしたり、職を失ったりしている住民の思いには大きな隔たりがあった。『復興まちづくりに住民が合意した』と一口にいっても、どのタイミングで記事にするか、苦しんだ」と振り返った。
「30年がたとうとする今、あの日の悲しみや怒り、苦しみを伝えなければならない」「南海トラフ巨大地震に備え、災害文化を継承するのがわたしたちの使命」と強調した。
[写真説明]阪神・淡路大震災の話を聞く生徒たち=神戸甲北高校
※「わたしの感想NIE」に生徒のみなさんの感想を掲載しています。
■養父市立宿南小学校(10月16日、対象・5~6年生6人) 神戸新聞教育ICT部の武藤邦生次長が講師を務めた。児童はそれぞれ林間学校や修学旅行の思い出を新聞作りアプリ「ことまど」を使って製作。この日は一人一人が出来上がった新聞を紹介し、武藤次長が講評、よい点や工夫したい点を挙げた。
神戸新聞社員が講師に
養父市八鹿町宿南の宿南小学校で、神戸新聞社員によるオンライン出前授業があり、5、6年生6人が参加した。各自が新聞作りアプリ「ことまど」を使って作成した新聞を紹介し、神戸新聞教育ICT部の武藤邦生次長が講評した。
同校は日本新聞協会のNIE実践校。5年生は同市大屋町などでの林間学校の体験を、6年生は広島に修学旅行に行った思い出を新聞にまとめた。
10月16日の授業では、見出しを工夫したり、写真をトリミングしたり、知恵を絞った紙面がそろった。武藤次長は、総合リード(前文)を書いているのがよい▽細かいところまで具体的に書いてある―などと評価。気を付けたい点として、内容が変われば段落替えする▽書きあがった記事は音読すれば、間違いに気づく―などを挙げた。
今後、児童たちは、特産「八鹿豚」やまちの文化財・青谿書院をテーマに「ことまど」で新聞を作成する。授業を受けた浦朝晃さん(5年)は「いろんな人が読むことを意識して分かりやすく記事を書きたい」と話した。(三好正文)=11月10日付神戸新聞朝刊但馬版
[写真説明]新聞作りで工夫した点などを発表する児童=養父市八鹿町宿南
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■西宮市立浜脇中学校(10月18日~11月1日、対象・3年生283人) 衆院選に合わせ、生徒たちが兵庫7区(西宮市南部、芦屋市)の模擬投票を行った。教育無償化▽裏金問題▽世界平和ーなどを基準に選んだという。開票結果は実際の選挙と順番が食い違ったが、1~3位は実際と同様、接戦となった。
興味持ち、調べるきっかけに 「18歳になったら必ず行く」
10月27日に投開票された衆院選に合わせ、西宮市立浜脇中学校(同市宮前町3)の3年生が兵庫7区(西宮市南部、芦屋市)の模擬投票を行った。生徒たちは1票の重みを実感し、「私たちの意見を届けるためにも、若者が積極的に参加すべき」とかみしめていた。(三好正文、土井秀人)
同校と兵庫県NIE推進協議会が企画した。日本では2016年参院選から18 歳選挙権が適用されたが、10代の投票率の低さが課題となっている。
国政選挙に合わせた、本物に近い「学校選挙」はスウェーデンなどで行われている。同校は日本新聞協会のNIE実践指定校。新聞の選挙報道に触れ、18歳になる前に主権者意識を高めてもらおうと模擬投票を行った。
衆院選は10月15日に公示され、兵庫7区は5人が立候補。前回と同じ自民党、立憲民主党、日本維新の会の構図に共産党と参政党が加わった。
生徒たちはまず、同協議会事務局による主権者教育の授業で、「投票することが、政治に自らの意見を反映させる近道」と学んだ。さらに、選挙シミュレーションゲームで1票の価値を体感したり、どの政治課題に関心があるかを話し合ったりした。
事務局では、各新聞社の選挙報道を読むように勧め、自分の考えと近い政党が分かる、共同通信社などのサイト「ボートマッチ」の利用も呼びかけた。
3年生は選挙期間中、同校が製作した投票箱に「1票」を投じた。11月1日に開票され、283人のうち投票したのは240人で、投票率は84・81%だった。実際の7区は57・10%だった。全国は53・85%と戦後3番目に低く、10代はさらに低い43・06%(速報値)にとどまった。
各クラスでは結果を受けて授業が行われた。実際の選挙では自民前職が当選し、維新前職、立民新人が比例復活したが、模擬投票では維新▽自民▽立民▽共産▽参政―の順だった。生徒たちは「教育無償化」「裏金問題」「世界平和」などを基準に選んだといい、「授業以外で自分で調べるきっかけになった」「家で話すことで家族にも興味を持ってもらえた」と振り返っていた。
3年の宮垣璃子さん(14)は「選挙に興味はなかったけど、調べてみると面白い。18歳になったら未来を託せる候補者を見つけ、必ず投票に行く」。担当した野上耕佑教諭(29)は「生徒たちは自分の1票をどこに投じるのか真剣に考え、実際の結果と比較して考察することもできた。今後につなげ、選挙で自分の意思を反映してほしい」と話していた。=11月8日付神戸新聞朝刊阪神版
[写真㊤]衆院選の模擬投票結果を受けて感想を述べ合う生徒ら=いずれも浜脇中学校[写真㊦]主権者教育の出前授業で関心のある政治課題について意見交換する生徒たち
※「わたしの感想NIE」に生徒のみなさんの感想を掲載しています。
※同様の実践が姫路市立豊富小中学校でも行われました。同校教諭の寄稿はこちら
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■のじぎく特別支援学校(10月30日、対象・高等部1年生12人) 神戸新聞NIE・NIB推進部の三好正文シニアアドバイザーが新聞の特長である網羅性や一覧性を説明し、「問題提起し読者に考えてもらうのが記者の役目」と強調。「新聞は歳時記でもある。紙面から秋や冬を感じてほしい」と話した。
■姫路市立飾磨中部中学校(11月6日、対象・3年生約90人) 神戸新聞NIE・NIB推進部の三好正文シニアアドバイザーが自己PR文や小論文の書き方を説明。前者は自身の強みを具体的エピソードを交えて書く、後者は新聞などを通じ基礎知識を習得し、自分の考えをもつーなどをポイントに上げた。
神戸新聞アドバイザーが講師に
高校受験対策として、自己PR文と小論文の書き方講座が11月6日、姫路市飾磨区細江の島か中部中学校であり、3年生約90人が参加した。同校は日本新聞協会のNIE実践指定校。神戸新聞NIE・NIB推進部の三好正文シニアアドバイザーが講師を務めた。
三好アドバイザーは、高校が受験生に自己PR文を求める理由として、高校の方針や校風に合った生徒かどうか分かる▽自分を客観視できる生徒かどうか分かる―などを挙げ、「受験生にとって自分を見つめ直すよい機会」と話した。
PREP法(要点→理由→具体例→要点)で書き、留意点として「自分の長所(強み)を具体的なエピソードを交えて書く」などを挙げた。
一方、「小論文は設問に対し、根拠を示しながら自分の意見を論じ、問題解決に向けて提案する。序論・本論・結論の順が書きやすい」と説明。「どんな設問が出てくるか。新聞などを読んで基礎知識を身につけ、普段から友達とも話し合い、自分の意見をもとう」と呼びかけた。
[写真説明]自分の長所は何か―。発表する生徒(右)=飾磨中部中学校
※「わたしの感想NIE」に生徒のみなさんの感想を掲載しています。
新聞紙を使った運動会「こうなんシンブリンピック」が、東灘区住吉本町1の甲南小学校・幼稚園であり、小学3年生56人と年長の園児28人の計84人が参加した。新聞紙を胸に当てて、落とさないように走るリレーや、新聞紙で作ったポンポンを腰に付けて、お互いに取り合うゲームなどを楽しんだ。
甲南小学校は日本新聞協会のNIE実践校。10月22日に「新聞をまだ読めなくても、折ったり破ったり、新聞を使うのもNIE活動」と、幼稚園との合同運動会を企画した。
児童らが新聞紙で作った玉で玉入れをしたり、神戸新聞社員が災害時に役立つ新聞紙スリッパの作り方を教えたりした。
3年生の幸田蓮也さん(9)は「玉入れが楽しかった。新聞は、図書館で読むうちに好きになった」、園児の久保咲奈さん(6)は「ポンポンを取り合うのが面白かった」と話した。(三好正文)=11月7日付神戸新聞朝刊神戸版
[写真説明]新聞で作ったボールで玉入れをする子どもたち=甲南小
※甲南小学校の宮尾友季子教諭、甲南幼稚園の山田陽加教諭の寄稿はこちら
「ひょうごNIE通信」第3号を発行しました。学校での新聞活用を深め、広めるNIEアドバイザーの活躍を紹介しています。兵庫では現在14人が活動し、来年夏の「第30回NIE全国大会神戸大会」で公開授業や実践発表を担当されます。甲南小学校・幼稚園(神戸市東灘区)の、新聞紙を使った運動会「シンブリンピック」の記事も掲載しています。