セミナー・発表会・公開授業

姫路・飾磨中部中で公開授業

241002sikamatyuubutyuusaeki.jpg新聞の写真から一句、 「対立」と「合意」テーマに

  学校でNIE活動に取り組む、姫路市立飾磨中部中学校(姫路市飾磨区細江)で10月2日、二つの公開授業が行われた。3年生約60人が、新聞記事の写真から俳句を作ったり、「対立と合意」をテーマに記事を選んで意見交換したりした。 県内各地から教員ら25人が参加し、授業後に意見交換会もあった。

  兵庫県NIE推進協議会の主催。同校は日本新聞協会のNIE実践指定校になっている。

 3年1組の授業のテーマは「NIE俳句~記事の写真から豊かにイメージしよう~」。国語科の佐伯奈津子教諭(43)=日本新聞協会NIEアドバイザー=が担当し、奥田夕貴教諭(29)がサポート役を務めた。

  新聞は歳時記でもある。佐伯教諭はまず、一面の菜の花畑や、傘の花が咲くまち景色、収穫期を迎えた丹波のクリ園、立山の紅葉、姫路城と花火、浅草・雷門の雪景色など、新聞に掲載された折々の写真を紹介。計12点を黒板に貼り出した。

 「新聞記事の写真からイメージを膨らませ、俳句を作ろう」との呼びかけに、生徒たちはタブレット端末の写真と記事を見ながら俳句を練った。

  生徒たちの俳句を一部紹介すると―。

  五月雨や傘の花咲く交差点
  菜の花の黄色に染まった たつのの町
  白鷺城夜空を彩る花火かな
 
  授業を受けた石田晄大さん(14)は「新聞の写真から句作するのは初めて。写真や記事を詳しく見ると、より深い見方ができる」と話した。

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  3年3組の授業のテーマは「新聞から読み取る対立と合意」で、社会科の皆光潤教諭(45)が担当した。

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  生徒たちはあらかじめ各自が選んだ記事について、班ごとに紹介し合った。生徒たちが関心を寄せたのは、「被爆体験者」の一部を被爆者と認めた長崎地裁判決や、日本製鉄が米鉄鋼大手USスチール買収計画を巡り審査を再申請したニュースなど、多岐にわたった。

  班ごとに発表する1本を決め、対立のポイントや合意に向けた動きについて活発に議論し、ワークシートやスライドの作成に取り組んだ。
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 「NIE俳句」を担当した佐伯教諭は兵庫で約15年、NIEに取り組んできた。来年夏の「第30回NIE全国大会神戸大会」でも、同校は「NIE俳句」の取り組みを実践発表する予定だ。「俳句の聖地」といわれる愛媛県のNIE関係者に講評いただくことになっている。

 ◆実践された飾磨中部中学校・佐伯奈津子教諭と皆光潤教諭の寄稿(授業のめあてや感想、展望)はこちら=佐伯教諭の寄稿皆光教諭の寄稿

◆参加者の感想はこちら

網 麻子(神戸新聞社NIE・NIB推進部次長)(10月11日)

[写真㊤]新聞記事の写真からイメージを膨らませ、俳句を作る授業=いずれも姫路市立飾磨中部中学校[写真㊨㊤]「対立と合意」をテーマに選んだ新聞記事について話し合う生徒たち(写真はいずれも画像を一部加工しています)

※飾磨中部中学校の公開授業は、10月3日付朝日新聞朝刊ひょうご版、10月9日付神戸新聞朝刊姫路版に記事を掲載していただきました。ありがとうございました。