広島の原爆について学ぶ授業が9月25日、神戸市垂水区歌敷山3の愛徳学園中学校であった。生後8カ月の時に被爆した近藤紘子さん(79)=三木市=が、自身の体験、平和を訴えてきた戦後の歩みについて語った。
同学園は平和教育、新聞を使った授業「NIE」に力を入れており、3年生は10月の修学旅行で広島を訪問する。来年、神戸市で開かれるNIE全国大会で、原爆と広島に関する学習成果について発表する予定。
近藤さんは原爆が投下された時、爆心地から1・1キロ地点にある教会施設にいて一命を取り留めた。やけどで傷ついた被爆者を身近に見て育ったこともあり、「米軍は鬼」と思っていた。
だが戦後、米爆撃機B29の搭乗員が涙を流して悔やむ姿に接した近藤さん。愛徳学園の生徒たちに「(米兵の)彼らも優しい人間の心を持っていた。憎むべきは戦争だ」と訴えた。
授業を受けた生徒は「相手を恨むのではなく、理解しあうことが平和につながると思った」と話した。(津谷治英)=30日付神戸新聞朝刊神戸版
[写真説明]生後8カ月の時に広島で被爆した体験を愛徳学園中学で話す近藤紘子さん=神戸市垂水区歌敷山3
※「わたしの感想NIE」に生徒のみなさんの感想を掲載しています。同校の米田俊彦教諭の寄稿はこちら