神戸新聞アドバイザーが講師に フェイクニュース見分け方など
インターネット時代の新聞の読み方を学ぶ講座が12月12日、有馬高校(三田市天神2)で開かれた。神戸新聞NIX推進部シニアアドバイザーの三好正文さん(63)が講師を務め、1年生約230人に活用法やフェイクニュースの見分け方などを語った。
「究極の要約」。新聞の見出しについて、三好さんはそう解説した。紙面の全てを読まなくても、見出しだけ、見出しと前文だけをざっと読むのでもいいという。新聞は幅広い話題を扱うため、興味がなかったり不得意だったりする分野も自然と目に入り、知ることができるのが利点とした。
フェイクニュースを見分けるためには、発信元の確認▽他のメディアはどう伝えているか▽記事が意見か事実か臆測かを考える―などが重要とした。その上で「友達が話題にしていても、その情報源がフェイクニュースの場合がある。疑うことも大切」と呼びかけた。
近年は豪雨災害が頻発し、近い将来には南海トラフ巨大地震が起こるとされる。1995年1月17日午前5時46分、阪神・淡路大震災が起きたその時、三好さんは宿直勤務で全壊した神戸・三宮の本社ビルにいた。当時は取材の最前線を担う中堅記者だった。「今も若い記者たちが阪神・淡路を報じている。教訓をつないでいくのが新聞の大切な役割」
新聞の使命は、平和を希求し、命と人権を守ることという。ロシアのウクライナ侵攻や、パレスチナ自治区ガザでの戦闘が勃発した現代。「今ほど世界が戦争の危険にさらされている時はない」。歴史は韻を踏む。同じ事は繰り返さなくても、似たような事態が起こりうる。日本は先の大戦を経験している。少しでもいいから新聞を読んで、世の中を知ってほしい。そして、こう締めくくった。「正しい情報を選び、みんながよりよい未来をつくるエンジンになって」(土井秀人)=15日付神戸新聞朝刊三田版
[写真説明]新聞の読み方を学ぶ有馬高の生徒ら=三田市天神2
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