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新聞記事 やさしい言葉に 神戸・伊川谷高で公開授業

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生徒ら工夫点紹介

 NIE(教育に新聞を)活動の一環として、新聞記事を「やさしい日本語」に書き換える取り組みを進めている伊川谷高校(神戸市西区)の公開授業が10月10日、同校であった。県内の学校教諭を中心に、オンラインも含めて33人が参加した。

 県NIE推進協議会が企画。同校では2学期から、自身が興味をもった新聞記事をまとめ直す授業を継続実施しており、総まとめの回を公開した。

 この日は1年生29人が5班に分かれて各自の記事を紹介し、工夫した点などを説明。代表者が発表したテーマは、ヤングケアラーや中国のゼロコロナ政策、戦争と原爆などさまざま。「漢字にふりがなを付けた」「イラストを添えた」などの工夫点も述べた。

 瀬戸口淳宏(あつひろ)さん(16)は「新聞記事は難しかったが、自分で調べたり班の仲間と話したりして気付くことも多かった。きょうの発表も含めて良い経験になった」と振り返った。

 愛徳学園中学・高校(神戸市垂水区)の米田俊彦教諭は「難しい記事内容を本当に理解していなければ自分なりのアウトプットはできない。NIEの取り組みの中でも斬新な切り口だと感じた」と感心していた。(安福直剛)=13日付神戸新聞朝刊神戸版

[写真説明]やさしい言葉でまとめ直した記事を紹介し合う生徒たち=伊川谷高校

 公開授業の後、現地参加者など20人で意見交換会を実施した。「記事の内容を在留外国人などに『やさしい日本語』で説明するには、自分が記事の内容をよく理解し、自分の言葉で的確にまとめる練習を行うことが大事だ」との意見があった。評価については「評価基準を明確にし、評価をもとに、発表の仕方や内容を改善していくことが大切である」との意見が出された。

 締めくくりに、この授業の最初から、指導や助言を行っていた塩川雅美(しおかわ・ まさみ)・ 大学未来創造研究所代表、吉開章(よしかい・あきら)・やさしい日本語普及連絡会代表理事、藤原孝章(ふじわら・たかあき)・同志社女子大学名誉教授から講評があった。(この稿、兵庫県NIE推進協議会事務局)

  ※公開授業を担当された伊川谷高校・福田浩三教諭の寄稿(ねらいや展望)をこちらに掲載しています。参加者の感想をこちらに掲載しています。

 日本新聞協会NIEサイトにも公開授業のリポートが掲載されています。リポートはこちら